交通事故に遭った場合、「自賠責保険から慰謝料はいくらもらえるのか」という情報に注目されがちです。
しかし、自賠責保険の傷害補償は慰謝料だけではありません。
現行の自賠責保険の支払基準では、交通事故による傷害について、
- 治療関係費
- 文書料
- その他の必要費用
- 休業損害
- 慰謝料
などが損害項目として整理されています。
さらに治療関係費には、
- 診察料
- 入院料
- 投薬料
- 手術料
- 処置料
- 通院交通費
- 看護料
- 諸雑費
- 柔道整復等の費用
- 義肢・松葉杖等の費用
- 診断書等の費用
などが含まれます。国土交通省の現行支払基準では、免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師による施術費用についても、「必要かつ妥当な実費」として傷害による損害の治療関係費に位置付けられています。 (mlit.go.jp)
一方で、自賠責保険には傷害による損害について被害者1人につき120万円という限度額があります。この120万円は「治療費だけの上限」ではなく、原則として治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料など、傷害に関する対象損害全体についての限度額です。 (mlit.go.jp)
したがって、
「治療費120万円+慰謝料120万円」
という仕組みではありません。
治療費、通院交通費、文書料、休業損害、慰謝料などを合計して、法定限度額の範囲内で支払額が算定されます。
本記事では、自賠責保険の傷害補償について、慰謝料だけでなく休業損害、通院交通費、文書料、診断書費用、施術費、看護料、諸雑費などを項目別に整理します。
また、交通事故後のむち打ち、首の痛み、肩こり、腰痛、背中の痛み、打撲、捻挫などについて、整形外科、整骨院・接骨院、鍼灸院での役割の違い、骨盤矯正、骨格矯正、鍼灸、円皮鍼、EMS治療などの身体面についても解説します。
1.自賠責保険とは?まず「何を補償する保険なのか」を理解する
自賠責保険は人身事故の基本的な対人補償
自賠責保険・共済は、交通事故の被害者を救済するため、加害者が負うべき経済的負担を補填し、基本的な対人賠償を確保することを目的とした強制保険です。
原動機付自転車を含む自動車には、原則として自賠責保険・共済への加入が義務付けられています。国土交通省は2026年8月31日の自賠責制度広報でも、この制度を交通事故被害者の基本的な対人賠償を確保するための強制保険と説明しています。 (mlit.go.jp)
自賠責保険の重要な特徴は、人身損害を対象とすることです。
したがって、交通事故で、
- 首の痛み
- むち打ち
- 腰痛
- 肩の痛み
- 打撲
- 捻挫
- 挫傷
- 骨折
- 神経症状
などの身体的損害が生じた場合には、自賠責保険の補償対象となる可能性があります。
一方、車両修理費、相手車両の修理費などの物損は、自賠責保険の対象ではありません。 (mlit.go.jp)
2.自賠責保険の傷害補償は「120万円」が基本上限
自賠責保険における傷害による損害の支払限度額は、
被害者1人につき120万円
です。
国土交通省の現行案内では、傷害による損害として、
- 治療関係費
- 文書料
- 休業損害
- 慰謝料
などを支払対象としており、限度額は被害者1人につき120万円とされています。 (mlit.go.jp)
ここで重要なのが「120万円の使われ方」です。
例えば、
- 治療費50万円
- 通院交通費2万円
- 文書料1万円
- 休業損害20万円
- 慰謝料30万円
であれば、合計103万円です。
一方、
- 治療関係費80万円
- 休業損害25万円
- 慰謝料30万円
なら合計135万円となるため、自賠責保険の傷害部分の法定限度額120万円を超えます。
超過分については、加害者側の任意保険、加害者本人への損害賠償請求、被害者自身の人身傷害保険など、別の補償関係を検討することになります。
3.自賠責保険で請求できる損害項目一覧
| 損害項目 | 主な内容 | 自賠責上の扱い |
|---|---|---|
| 治療費 | 診察・投薬・処置・手術等 | 必要かつ妥当な実費 |
| 入院費 | 入院に必要な費用 | 必要かつ妥当な実費 |
| 通院交通費 | 病院・施術所への交通費 | 必要かつ妥当な実費 |
| 看護料 | 入院・通院・自宅看護 | 条件に応じて対象 |
| 諸雑費 | 療養に必要な物品・費用等 | 必要かつ妥当な実費等 |
| 柔道整復等の費用 | 柔道整復、鍼灸等 | 必要かつ妥当な実費 |
| 義肢等 | 松葉杖・補装具等 | 条件に応じて対象 |
| 診断書等 | 診断書・診療報酬明細書等 | 必要かつ妥当な実費 |
| 文書料 | 交通事故証明書等 | 必要かつ妥当な実費 |
| 休業損害 | 休業・有給休暇等による損害 | 原則1日6,100円 |
| 慰謝料 | 精神的・肉体的苦痛 | 1日4,300円 |
国土交通省の現行支払基準では、これらが傷害による損害として整理されています。 (mlit.go.jp)
4.請求できる項目①「治療費」
交通事故後に整形外科等の医療機関で治療を受けた場合、診察料、投薬料、処置料、手術料、入院料などのうち、治療のために必要かつ妥当な実費が自賠責保険の対象になります。 (mlit.go.jp)
治療費に含まれる代表例
- 初診料
- 再診料
- 診察料
- 投薬料
- 処置料
- 手術料
- 入院料
- 通院に付随する治療費
などです。
ただし、自賠責保険が「病院で支払った金額なら何でも無条件に全額支払う」という制度ではありません。
現行支払基準は、「必要かつ妥当な実費」という考え方を採用しています。 (mlit.go.jp)
5.請求できる項目②「通院交通費」
交通事故後に整形外科や施術所へ通院する場合には、通院に要した交通費も対象となる場合があります。
国土交通省の現行支払基準では、通院、転院、入院、退院に要する交通費について、「必要かつ妥当な実費」とされています。 (mlit.go.jp)
対象となり得る交通手段
状況に応じて、
- 電車
- バス
- タクシー
- 自家用車
などが問題になります。
ただし、タクシーなど高額な交通手段については、必要性・相当性の説明が必要になる場合があります。
そのため、
- 通院日
- 交通手段
- 往復費用
- 通院先
- 走行距離
などを記録しておくことが重要です。
6.請求できる項目③「診断書・診療報酬明細書等の費用」
交通事故の保険手続きでは、診断書や診療報酬明細書などの書類が必要となることがあります。
これらの発行に必要かつ妥当な費用は、現行の自賠責支払基準上、「診断書等の費用」として治療関係費に含まれます。 (mlit.go.jp)
つまり、
「診察代は対象だけど診断書代は対象外」
とは限りません。
事故証明、診断書、保険請求などに必要な書類費用を区別して考える必要があります。
7.請求できる項目④「文書料」
自賠責保険の支払基準では、文書料として、
- 交通事故証明書
- 被害者側の印鑑証明書
- 住民票
などの発行に必要かつ妥当な実費が対象とされています。 (mlit.go.jp)
ここは「診断書等の費用」と「文書料」が別項目として整理されている点が重要です。
文書関連費用
診断書
│
├─ 医師による診断書
├─ 診療報酬明細書等
│
文書料
│
├─ 交通事故証明書
├─ 印鑑証明書
└─ 住民票等
具体的な必要書類・対象費用は請求内容によって異なります。
8.請求できる項目⑤「休業損害」
交通事故後に仕事を休み、収入が減少した場合には、「休業損害」が問題になります。
現行の自賠責支払基準では、休業による収入減少があった場合、または有給休暇を使用した場合に、原則として、
1日6,100円
とされています。
ただし、立証資料などにより6,100円を超えることが明らかな場合には、自動車損害賠償保障法施行令で定める金額を限度として、その実額が認められる仕組みです。現行基準では、その上限は19,000円です。 (mlit.go.jp)
給与所得者
会社員、パート、アルバイトなどは、
- 休業損害証明書
- 源泉徴収票
- 給与明細
など、収入減少を裏付ける資料が重要になります。
国土交通省の請求手続き案内では、給与所得者について事業主が作成する休業損害証明書と源泉徴収票が必要資料として示されています。 (mlit.go.jp)
自営業者・自由業者
自営業者、自由業者、農林漁業者などについては、
- 納税証明書
- 課税証明書
- 確定申告書
などを利用して事故による減収を立証することがあります。 (mlit.go.jp)
9.休業損害は「会社を丸1日休んだ場合」だけではない
休業損害というと、
「事故で会社を休んだ」
場合だけをイメージしがちです。
しかし、自賠責の支払基準では、有給休暇を使用した場合も対象となる可能性があります。 (mlit.go.jp)
つまり、
「有給だから損害ではない」
とは一概にいえません。
ただし、具体的な休業日数がどこまで認められるかについては、傷害の態様、実治療日数、治療期間などを勘案して判断されます。 (mlit.go.jp)
10.家事従事者にも休業損害が認められる
自賠責の現行支払基準では、家事従事者について、休業による収入減少があったものとみなす規定があります。 (mlit.go.jp)
そのため、
「収入を得る仕事をしていないから休業損害はゼロ」
とは限りません。
家事従事者についても、事故による傷害によって家事労働ができない・制限された場合には、休業損害の対象となる仕組みがあります。
11.請求できる項目⑥「慰謝料」
交通事故の慰謝料は、精神的・肉体的苦痛に対する補償です。
現行の自賠責支払基準では、
1日4,300円
とされています。
ただし、単純に、
「通院した日数×4,300円」
だけで必ず決まるわけではありません。
慰謝料の対象日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数などを勘案し、治療期間の範囲内で決められます。 (mlit.go.jp)
12.「慰謝料=通院日数×4,300円」と断定できない理由
例えば、1か月の治療期間があり、その間に10日通院したからといって、
「10日×4,300円=43,000円」
と必ず確定するわけではありません。
自賠責の支払基準では、慰謝料の対象日数について、
- 傷害の態様
- 実治療日数
- 治療期間
などを勘案することになっています。 (mlit.go.jp)
このため、インターネット上の単純な「通院日数×○円」という情報だけで最終的な慰謝料額を判断するのは適切ではありません。
13.請求できる項目⑦「看護料」
傷害の状態によって看護が必要になる場合、看護料も自賠責の対象となることがあります。
国土交通省の現行支払基準では、
- 入院中の看護料
- 自宅看護料
- 通院看護料
について条件が設定されています。 (mlit.go.jp)
例えば近親者等による自宅看護・通院看護については、現行基準で1日2,100円とされ、立証によりそれを超えることが明らかな場合には必要かつ妥当な実費が認められる場合があります。 (mlit.go.jp)
14.請求できる項目⑧「諸雑費」
治療に直接必要な物品の購入費や使用料、医師の指示により摂取した栄養物の購入費、通信費などが「諸雑費」として扱われます。
現行基準では、入院中の諸雑費について原則1日1,100円、通院または自宅療養中の諸雑費については必要かつ妥当な実費とされています。 (mlit.go.jp)
15.請求できる項目⑨「柔道整復・鍼灸等の施術費」
自賠責保険の支払基準には、柔道整復等の費用も明記されています。
現行基準では、免許を有する、
- 柔道整復師
- あんま・マッサージ・指圧師
- はり師
- きゅう師
が行う施術費用について、「必要かつ妥当な実費」とされています。 (mlit.go.jp)
この点は、交通事故後に整骨院・接骨院や鍼灸院への通院を検討する場合に重要です。
ただし、
「自賠責保険ならどのような施術でも無制限に支払われる」
という意味ではありません。
施術内容、必要性、妥当性、事故との因果関係などが問題となります。
16.交通事故後の「むち打ち」と整骨院
交通事故後には、
- 頸部痛
- 首の動かしにくさ
- 肩こり
- 後頭部の痛み
- 背中の張り
- 腰痛
- 筋緊張
- 関節可動域制限
などが生じる場合があります。
整骨院では柔道整復師が、
- 打撲
- 捻挫
- 挫傷
などを対象とした施術を行います。
一方、骨折・脱臼などについては資格・制度上の取り扱いに条件があります。
厚生労働省は、柔道整復師の療養費について、骨折・脱臼・打撲・捻挫などを対象とする制度を示しています。骨折・脱臼については、緊急時を除き医師の同意が必要です。 (mhlw.go.jp)
17.整形外科と整骨院・鍼灸院の役割
交通事故後の身体については、「整形外科と整骨院のどちらが正しいか」という二択にする必要はありません。
整形外科
医師による診察・医学的評価を行い、
- X線
- MRI
- CT
- 神経学的評価
- 骨折評価
- 脱臼評価
- 神経障害の確認
- 投薬
- 注射
- 診断書
などを必要に応じて行います。
整骨院
柔道整復師が、
- 打撲
- 捻挫
- 挫傷
- 筋・関節の状態
- 可動域
- 動作
などについて評価し、資格の範囲で施術します。
鍼灸院
鍼灸師が、
- 筋緊張
- 疼痛
- 身体のこわばり
- 局所的な状態
などを確認し、鍼・灸による施術を行います。
役割が異なるため、必要に応じて医療機関と施術所を適切に使い分けることが重要です。
18.交通事故後の腰痛と骨盤・骨格
交通事故後の腰痛では、腰部だけに負荷がかかっているとは限りません。
事故によって、
- 頸部
- 胸椎
- 腰椎
- 骨盤
- 股関節
などの運動パターンが変化する場合があります。
例えば、
「首の痛み」
→「身体をかばう」
→「肩・胸郭の動作変化」
→「体幹の運動変化」
→「骨盤・腰椎への負荷」
→「腰痛」
という連鎖が考えられます。
したがって交通事故後の腰痛では、腰だけでなく、
- 骨盤
- 股関節
- 胸椎
- 体幹
- 下肢
などを含めた全身の運動連鎖を確認することが重要です。
19.茨木市あゆみ鍼灸整骨院における交通事故後の身体評価
茨木市あゆみ鍼灸整骨院では、12年以上の臨床経験を基礎として、交通事故後の身体を局所だけで評価せず、必要に応じて全身の運動連鎖まで確認します。
例えば腰痛では、
- 腰椎
- 骨盤
- 股関節
- 胸椎
- 体幹
- 臀部
- 下肢
などを確認します。
肩こりや首の痛みでは、
- 頸椎
- 肩甲帯
- 肩関節
- 胸椎
- 筋緊張
- 関節可動性
などを確認します。
20.骨盤矯正・骨格矯正をベースにした根本アプローチ
当院では、無理な姿勢矯正を強要しません。
交通事故後の身体は、痛みをかばうことによって姿勢や動作パターンが変化している場合があります。
そのため、
「正しい姿勢に強制的に戻す」
ことだけを目的にはせず、
- 骨格
- 骨盤
- 関節可動性
- 筋緊張
- 動作
- 荷重
などを確認します。
その上で、「骨格矯正をベースにした根本アプローチ」により、特定の部位に負担が集中しにくい状態を目指し、痛みの出にくい身体づくりをサポートします。
21.骨盤矯正と交通事故後の腰痛改善
骨盤は腰椎、股関節、下肢と連動して動くため、腰痛を評価する際の重要な部位の一つです。
ただし、
「骨盤が歪んでいるから腰痛になる」
と一つの原因に限定することは適切ではありません。
当院では、
- 骨盤可動性
- 腰椎運動
- 股関節可動域
- 胸椎回旋
- 臀部筋群
- 体幹機能
- 歩行
- 荷重
などを確認した上で、必要に応じて骨盤矯正や骨格矯正を施術方法として検討します。
22.鍼灸・円皮鍼によるアプローチ
交通事故後の腰痛、肩こり、頸部の筋緊張などに対して、鍼灸を選択肢として検討する場合があります。
当院では、強い刺激が苦手な方に対して、比較的刺激の少ない円皮鍼(えんぴしん)を優先的に提案する場合があります。
円皮鍼は、皮膚表面に持続的な刺激を与えるタイプの鍼具です。
「深い鍼が苦手」
「強い刺激を避けたい」
「刺激量を抑えたい」
というケースで選択肢となります。
23.円皮鍼による血流改善アプローチ
当院では円皮鍼を使用する場合、局所への穏やかな刺激を利用し、血流改善を目的としたアプローチを検討します。
ただし、
「円皮鍼で交通事故後の腰痛が必ず改善する」
という意味ではありません。
また、自賠責保険で施術費が補償対象となるかどうかは、事故状況、施術内容、必要性・妥当性、保険会社との対応などを含めて個別に判断されます。
施術そのものと保険金請求の可否は、別の問題として考える必要があります。
24.EMS治療と交通事故後の腰痛
交通事故後に活動量が低下すると、
- 体幹筋
- 臀部筋群
- 下肢筋
- 骨盤周囲筋
などの筋機能が低下することがあります。
当院では身体状態や回復段階を確認した上で、必要に応じてEMS治療を補助的に検討します。
EMSは電気刺激を利用して筋肉へ刺激を与える方法です。
ただし、
「EMSを受ければ交通事故後の腰痛が必ず改善する」
というものではありません。
骨格矯正、骨盤矯正、手技、運動機能などと組み合わせ、身体状態に応じて使用することが重要です。
25.自賠責保険で「整骨院の施術費」は対象になる?
国土交通省の現行支払基準では、免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師の施術費用について、傷害による損害の治療関係費として「必要かつ妥当な実費」とされています。 (mlit.go.jp)
つまり、制度上、
「自賠責は病院だけ」
というわけではありません。
一方で、具体的な施術が保険金支払の対象となるかは、事故と傷害との因果関係、施術の必要性・妥当性、施術内容、保険会社による確認などを踏まえて判断されます。
したがって、「整骨院なら何をしても自賠責で支払われる」と考えるのは適切ではありません。
26.請求時に重要な「事故との因果関係」
自賠責保険の損害調査では、事故の発生状況だけでなく、
「その傷害が交通事故によって発生したのか」
という因果関係も確認されます。
国土交通省の自賠責請求手続きでは、提出された書類について、損害保険料率算出機構が事故の発生状況、自賠責保険・共済の対象となる事故かどうか、傷害と事故の因果関係、発生した損害額などを調査すると説明されています。 (mlit.go.jp)
そのため、
- 事故前から腰痛があった
- 事故後に新たな症状が出た
- 事故直後から首が痛かった
- 事故後数日して腰痛が出た
など、発症時期・症状経過を正確に説明することが重要です。
27.事故後の「腰痛改善」で大切な身体評価
交通事故後の腰痛では、
- 外傷
- 筋損傷
- 関節機能
- 神経症状
- 骨盤
- 股関節
- 胸椎
- 活動量
- 日常生活
など複数の要素があります。
当院では、腰痛だけを単独で評価するのではなく、身体全体の状態を確認します。
必要に応じて、
「骨盤」
→「股関節」
→「腰椎」
→「胸椎」
→「体幹」
→「下肢」
という運動連鎖を確認し、身体の負担が偏っている部分を把握します。
28.自賠責保険の「請求方法」
自賠責保険では、被害者自身が保険会社等へ請求する「被害者請求」があります。
国土交通省の案内では、請求者が損害保険会社・共済組合へ請求書類を提出し、その後、損害保険料率算出機構の調査事務所が、
- 事故状況
- 支払の適確性
- 傷害との因果関係
- 損害額
などを調査し、保険会社が支払額を決定する流れが説明されています。 (mlit.go.jp)
29.請求に必要となる主な書類
交通事故の傷害については、ケースによって以下の資料が関係します。
- 保険金請求書
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 診断書
- 診療報酬明細書
- 通院交通費明細書
- 休業損害証明書
- 源泉徴収票
- 納税証明書
- 確定申告書
- 施術証明書
- 施術費明細書
- 診断書等の費用に関する資料
- その他損害を立証する資料
国土交通省の自賠責請求案内でも、傷害の被害者請求について、診療報酬明細書、通院交通費明細書、休業損害の証明資料などが示されています。 (mlit.go.jp)
30.「請求できる」と「満額支払われる」は別
自賠責保険で特に注意したいのが、
「対象になる」
ことと、
「請求した額がそのまま全額支払われる」
ことは別であるという点です。
例えば通院交通費についても「必要かつ妥当な実費」が基準です。
治療費についても「必要かつ妥当な実費」です。
休業損害については、
- 休業の事実
- 収入減少
- 有給休暇使用
- 傷害との関係
- 対象日数
などが確認されます。
慰謝料についても、対象日数は傷害の態様、実治療日数などを勘案して算定されます。
したがって、「請求項目が存在する」ことと「任意に金額を決められる」ことは異なります。
31.自賠責120万円を超えた場合はどうなる?
傷害による損害の合計額が120万円を超える場合、その超過分については自賠責保険だけでは補償できません。
その場合、
- 任意自動車保険
- 対人賠償保険
- 人身傷害保険
- 加害者本人への損害賠償
- その他の補償制度
などを確認する必要があります。
自賠責保険は「最低限の対人賠償」を確保する制度であり、高額な人身損害すべてを無制限に補償する保険ではありません。国土交通省も、自賠責を超える損害への備えとして任意保険の重要性を示しています。 (mlit.go.jp)
32.後遺障害が残った場合は別の損害項目になる
交通事故後に症状が長期間残り、医学的に将来にわたり回復が困難と見込まれる身体的・精神的障害が認められ、所定の後遺障害等級に該当した場合には、傷害120万円とは別に「後遺障害による損害」が問題になります。
国土交通省の自賠責制度では、後遺障害による損害として、
- 逸失利益
- 後遺障害慰謝料等
が支払対象とされ、等級ごとに限度額が設定されています。 (mlit.go.jp)
したがって、
「120万円を超えたら全部終わり」
というわけではありません。
傷害部分と後遺障害部分は制度上分けて考える必要があります。
33.高槻市・茨木市で交通事故後の通院を検討する際のポイント
高槻市・茨木市周辺では、
- 自動車通勤
- バイク通勤
- 自転車通勤
- デスクワーク
- 長時間運転
- 子どもの送迎
- 買い物
などの生活環境があります。
交通事故後に腰痛、首の痛み、肩こり、背中の痛みなどがある場合、事故による直接的な外力だけでなく、その後の、
- 通勤
- 運転
- 座位
- パソコン作業
- 睡眠
- 活動量
なども身体への負担となる可能性があります。
そのため、通院先を検討する際には、「どこが痛いか」だけではなく、「仕事や生活の中で何をすると症状が強くなるか」を整理することが重要です。
34.茨木市あゆみ鍼灸整骨院の身体へのアプローチ
茨木市あゆみ鍼灸整骨院では、12年以上の臨床経験を基礎として、交通事故後の身体状態を確認します。
当院では、
- 首
- 肩
- 背中
- 腰
- 骨盤
- 股関節
- 下肢
などを必要に応じて評価し、症状の部位と身体全体の動きを確認します。
無理な姿勢矯正を強要せず、「骨格矯正をベースにした根本アプローチ」により、特定部位へ負担が集中しにくい身体づくりをサポートします。
腰痛についても、腰だけに着目せず、骨盤、股関節、胸椎、体幹、下肢などとの運動連鎖を確認します。
35.鍼灸・円皮鍼を利用した低刺激アプローチ
強い刺激が苦手な方には、比較的刺激の少ない円皮鍼(えんぴしん)を優先的に提案する場合があります。
円皮鍼では、皮膚表面への穏やかな刺激を利用し、血流改善を目的としたアプローチを検討します。
ただし、刺激感には個人差があります。
「痛みの出ない円皮鍼」という表現をする場合でも、すべての方に刺激感がないことを保証するものではありません。
身体の状態と刺激への感受性を確認して使用方法を検討します。
36.EMS治療を組み合わせる場合
交通事故後の腰痛などで活動量が低下した場合には、体幹・骨盤周囲の筋機能が課題になる場合があります。
その場合、身体状態に応じてEMS治療を補助的に検討します。
EMS治療は、
- 腹部
- 体幹
- 臀部
- 骨盤周囲
などの筋肉への刺激を目的として使用します。
ただし、EMS治療は自賠責保険制度上の慰謝料とは別の「施術」の問題であり、実際の費用が自賠責の支払対象になるかは、施術内容・必要性・妥当性などによって判断されます。
37.よくある質問(FAQ)
Q1.自賠責保険では慰謝料以外に何を請求できますか?
自賠責保険の傷害による損害では、慰謝料以外にも、治療費、通院交通費、看護料、諸雑費、柔道整復等の施術費、診断書等の費用、文書料、休業損害などが対象となります。傷害による損害の限度額は被害者1人につき120万円です。 (mlit.go.jp)
Q2.交通事故の休業損害はいくらですか?
現行の自賠責支払基準では、休業による収入減少があった場合、または有給休暇を使用した場合、原則1日6,100円です。収入減少について立証資料等により1日6,100円を超えることが明らかな場合は、政令で定める19,000円を限度として実額が認められます。 (mlit.go.jp)
Q3.自賠責の慰謝料はいくらですか?
現行の自賠責支払基準では、傷害による慰謝料は1日4,300円です。ただし、対象日数は単純な通院日数だけで自動的に決まるものではなく、傷害の態様、実治療日数、治療期間などを勘案して決定されます。 (mlit.go.jp)
Q4.自賠責で整骨院の施術費も請求できますか?
国土交通省の現行支払基準では、免許を有する柔道整復師、はり師、きゅう師などによる施術費用が「必要かつ妥当な実費」として傷害による損害の治療関係費に含まれています。ただし、すべての施術が無条件に支払対象になるわけではなく、事故との因果関係、必要性、妥当性などが関係します。 (mlit.go.jp)
Q5.病院に行ったときの診断書代や交通事故証明書の費用も対象ですか?
現行の自賠責支払基準では、診断書・診療報酬明細書等の発行に必要かつ妥当な費用が「診断書等の費用」として、交通事故証明書、印鑑証明書、住民票等の発行に必要かつ妥当な費用が「文書料」として整理されています。 (mlit.go.jp)
38.まとめ|自賠責保険は「慰謝料だけ」を請求する制度ではない
交通事故後の自賠責保険について、「慰謝料はいくら?」だけを確認するのでは不十分です。
傷害による損害には、
- 治療費
- 入院費
- 通院交通費
- 看護料
- 諸雑費
- 柔道整復等の施術費
- 義肢・松葉杖等の費用
- 診断書等の費用
- 文書料
- 休業損害
- 慰謝料
など、複数の損害項目があります。国土交通省の現行支払基準にも、これらの項目が明記されています。 (mlit.go.jp)
その中でも特に検索されやすいのが、
休業損害
です。
現行基準では原則1日6,100円で、立証資料によりそれを超えることが明らかな場合には19,000円を限度として実額が認められます。 (mlit.go.jp)
次に重要なのが、
通院交通費
です。
電車、バス、場合によってはタクシーや自家用車などについて、必要かつ妥当な実費が対象となる場合があります。 (mlit.go.jp)
そして、
診断書等の費用・文書料
も忘れやすい請求項目です。
診断書や診療報酬明細書等の発行費用、交通事故証明書、印鑑証明書、住民票等について、必要かつ妥当な実費が対象として整理されています。 (mlit.go.jp)
また、自賠責保険では、
柔道整復師・はり師・きゅう師等の施術費
についても、免許を有する施術者による「必要かつ妥当な実費」が治療関係費として位置付けられています。 (mlit.go.jp)
ただし、これらすべてを合わせた傷害による損害には、
被害者1人につき120万円
という限度額があります。 (mlit.go.jp)
したがって、
「治療費120万円」
+
「慰謝料120万円」
という別枠方式ではありません。
治療費、通院交通費、文書料、休業損害、慰謝料等を合わせた傷害損害について、法定限度額の範囲内で支払額が算定されます。
120万円を超える損害については、任意自動車保険、対人賠償保険、人身傷害保険、加害者本人への損害賠償請求など、別の補償関係を確認する必要があります。
また、事故後に症状が長期化し、医学的に後遺障害が認められ、所定の等級に該当する場合には、傷害部分とは別に後遺障害による逸失利益や慰謝料等が問題になります。 (mlit.go.jp)
身体面では、交通事故後に、
- むち打ち
- 首の痛み
- 肩こり
- 頭痛
- 背中の痛み
- 腰痛
- 骨盤周囲の違和感
- 打撲
- 捻挫
- 挫傷
- 手足のしびれ
- 関節可動域制限
などが生じる場合があります。
事故後の身体については、まず整形外科等の医療機関で必要な診察・画像検査等を受け、その上で柔道整復師・鍼灸師による施術を検討することが重要です。
茨木市あゆみ鍼灸整骨院では、12年以上の臨床経験を基礎として、交通事故後の首・肩・背中・腰・骨盤・股関節などを含めた身体状態を確認します。
当院では、無理な姿勢矯正を強要せず、「骨格矯正をベースにした根本アプローチ」により、身体の負担が特定部位に集中しにくい状態を目指し、痛みの出にくい身体づくりをサポートします。
腰痛については、腰だけを確認するのではなく、骨盤、腰椎、胸椎、股関節、臀部、体幹、下肢などの運動連鎖を確認し、必要に応じて骨盤矯正、骨格矯正、整体施術、筋膜リリースなどを組み合わせます。
鍼灸については、強い刺激が苦手な方に対して、比較的刺激の少ない円皮鍼(えんぴしん)を優先的に提案する場合があります。円皮鍼では、局所への穏やかな刺激を利用し、血流改善を目的としたアプローチを検討します。
さらに、回復段階や身体機能に応じてEMS治療を補助的に組み合わせることも検討します。
高槻市・茨木市周辺で交通事故後の腰痛、むち打ち、首の痛み、肩こり、背中の痛みなどが続いている場合には、損害項目だけでなく、現在の身体状態と必要な医療・施術についても整理することが重要です。
交通事故後の身体状態・腰痛・施術内容を確認したい方へ
茨木市あゆみ鍼灸整骨院の施術内容、骨盤矯正、骨格矯正、鍼灸、円皮鍼、EMS治療などについて詳しく確認したい方は、以下をご覧ください。
参考情報
国土交通省の現行自賠責保険案内では、傷害による損害として治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料が支払対象となり、被害者1人につき120万円が限度額とされています。 (mlit.go.jp)
現行の自賠責保険支払基準では、治療関係費として通院交通費、診断書等の費用、柔道整復等の費用などが定められ、休業損害は原則1日6,100円、慰謝料は1日4,300円とされています。 (mlit.go.jp)
国土交通省の請求手続き案内では、請求書類の提出後、損害保険料率算出機構による事故状況、因果関係、損害額等の調査を経て支払額が決定される流れが説明されています。 (mlit.go.jp)

