むち打ちにおける組織修復のタイムラインとは
むち打ちは、交通事故などによって頭部と頸部が急激に前後へ加速・減速することで、頸椎周辺の筋肉、靭帯、関節包、筋膜などに大きな負荷が加わる外傷性の状態です。
医学的には「Whiplash-Associated Disorders(WAD:むち打ち関連障害)」という概念で整理されることがあり、頸部痛、頸部可動域制限、肩や背中の痛み、頭痛、めまい、しびれなど、さまざまな症状が組み合わさって出現する場合があります。
むち打ちを理解するうえで重要なのが、「負傷した組織は一定の時間をかけて生体反応を起こしながら修復・再構築される」という考え方です。
一般的な軟部組織の修復過程では、大きく、
- 炎症期
- 増殖期
- 再構築期(リモデリング)
という段階が重なり合いながら進行します。
ただし、これは時計のように「○日目から次の段階へ完全に切り替わる」というものではありません。炎症、細胞増殖、コラーゲン形成、血管新生、組織再構築などが重複して進行します。
特に靭帯などの組織では、炎症後に血管・細胞・細胞外マトリックスの変化が生じ、その後、コラーゲン線維の配列や組織構造が長期間にわたって変化していきます。研究では、靭帯のリモデリングが受傷後数週間から開始され、その後数か月、場合によってはさらに長期間継続することが報告されています。
したがって、むち打ちの施術を考える際には「痛みがあるから同じ施術を続ける」のではなく、受傷からの期間、疼痛の程度、頸部可動域、筋緊張、神経症状、日常生活動作などを総合的に評価することが重要です。
むち打ちで関係する主な解剖学的組織
| 組織 | 主な役割 | むち打ちとの関連 |
|---|---|---|
| 頸椎 | 頭部を支持し運動させる脊柱 | 急激な加速・減速による負荷 |
| 椎間関節 | 頸椎の安定性と運動に関与 | 関節周辺の疼痛要因となる場合がある |
| 前縦靭帯・後縦靭帯 | 頸椎の安定化 | 過伸展・過屈曲時の負荷 |
| 頸部筋群 | 頭部・頸椎の支持と運動 | 防御性筋緊張や筋疲労 |
| 僧帽筋 | 頸部・肩甲帯を支持 | 肩こり、肩甲間部の張りとの関連 |
| 肩甲挙筋 | 肩甲骨挙上・頸部運動に関与 | 頸部痛・肩部痛と関連 |
| 胸鎖乳突筋 | 頸部の屈曲・回旋に関与 | 頸部運動時の負担 |
| 筋膜 | 筋・組織間の滑走や力伝達に関与 | 筋緊張や運動パターンとの関連 |
| 神経組織 | 感覚・運動情報を伝達 | しびれや感覚異常がある場合に評価が必要 |
| 血管 | 酸素・栄養供給、代謝産物の運搬 | 局所循環変化との関連 |
むち打ちで検索されやすい関連症状
むち打ちは頸部だけの問題として認識されないケースもあります。
関連して検索される症状には、
- 首の痛み
- 首が回らない
- 首を動かすと痛い
- 肩こり
- 肩甲骨周辺の痛み
- 背中の張り
- 腰痛
- 頭痛
- 吐き気
- めまい
- 耳鳴り
- 手のしびれ
- 腕の痛み
- 筋肉の緊張
- 頸部可動域制限
- 神経症状
- 交通事故後の痛み
- 頸椎捻挫
- むち打ち後遺症
などがあります。
ただし、これらの症状がすべて「むち打ちによる組織損傷」で説明できるわけではありません。特に神経症状、強い頭痛、意識障害、進行するしびれ・筋力低下などがある場合には、外傷後の重大な病態を除外する医学的評価が必要です。
むち打ちの炎症期・増殖期・再構築期を理解する
炎症期|受傷直後に生じる生体防御反応
組織が損傷すると、身体では炎症反応が起こります。
炎症は単純に「悪い反応」ではなく、損傷した組織を処理し、修復に必要な細胞や物質を集めるための生体反応です。
炎症期では、
- 血管透過性の変化
- 炎症細胞の集積
- サイトカイン
- 成長因子
- 血管反応
- 組織液の変化
- 疼痛感受性の変化
などが生じます。
この時期には疼痛や腫脹、熱感、圧痛、筋防御などがみられることがあります。
むち打ちの場合、頸部の急激な加速・減速によって筋肉や靭帯、関節周辺組織などに負荷が加わるため、受傷直後から頸部痛や運動制限が発生する場合があります。
ただし、症状の強さだけから損傷組織の程度を断定することはできません。
増殖期|修復組織が形成される段階
炎症反応が進むと、線維芽細胞などの細胞が増殖し、細胞外マトリックスやコラーゲンなどの組織形成が進みます。
靭帯損傷などの研究では、炎症後に血管新生や細胞増殖、コラーゲン形成が進行することが確認されています。
この段階では、
- 線維芽細胞
- コラーゲン
- 細胞外マトリックス
- 毛細血管
- 肉芽組織
- 組織修復
などが重要なキーワードになります。
一方、形成されたばかりの修復組織は、正常な未損傷組織と同じ機械的特性を持つとは限りません。
そのため、組織修復が進んでいるからといって、すぐに受傷前と同じ負荷をかけられるとは限りません。
再構築期(リモデリング)|コラーゲン線維と組織構造が変化する段階
再構築期では、形成された修復組織が徐々に整理され、コラーゲン線維の配向、架橋、細胞外マトリックスなどが変化していきます。
特に靭帯では、修復組織が長期間にわたって再構築されることが知られています。
重要なのは、「痛みが減った=組織修復が完全に終了した」という単純な関係ではないことです。
疼痛、可動域、筋力、協調運動、組織の耐久性などは、それぞれ異なる速度で変化する可能性があります。
したがって、受傷後の施術では「痛みの強さ」だけでなく、
- 頸部可動域
- 頸部筋群の緊張
- 肩甲帯の運動
- 胸椎可動性
- 姿勢
- 日常生活動作
- 筋力
- 運動耐容能
- 神経症状の有無
などを総合的に確認する必要があります。
むち打ちの原因を物理的要因と生理学的要因から分類する
むち打ちの症状を考える場合、単純に「首の骨がズレた」という一つの原因だけで説明するのは適切ではありません。
外傷による物理的ストレスと、その後に生じる生理学的変化を分けて考える必要があります。
| 分類 | 要因 | 症状との関連 |
|---|---|---|
| 物理的 | 急激な加速・減速 | 頸部組織への負荷 |
| 物理的 | 過屈曲・過伸展 | 筋・靭帯・関節周辺へのストレス |
| 物理的 | 筋防御 | 頸部可動域低下 |
| 物理的 | 肩甲帯の運動制限 | 肩・首への負荷増加 |
| 物理的 | 胸椎可動性低下 | 頸椎の代償運動 |
| 生理学的 | 炎症反応 | 疼痛感受性の変化 |
| 生理学的 | 局所循環変化 | 組織環境との関連 |
| 生理学的 | 神経系の感作 | 痛みの感じ方の変化 |
| 生理学的 | 自律神経反応 | 発汗、心拍、睡眠などとの関連 |
| 生理学的 | 筋緊張 | 可動域制限や疲労感 |
| 心理社会的 | 事故への不安 | 痛みや活動性との関連 |
| 生活要因 | デスクワーク | 頸部・肩甲帯への持続負荷 |
| 生活要因 | 睡眠姿勢 | 頸部への持続的ストレス |
| 生活要因 | 運動不足 | 筋力・運動耐容能の低下 |
骨格・姿勢・筋肉の緊張
むち打ち後には、痛みを避けるために頭部や頸部の動きを小さくすることがあります。
その結果、
「頸部を動かさない」
↓
「周囲筋の活動パターンが変化」
↓
「肩甲帯の運動も変化」
↓
「首・肩周辺への負担が変化」
というような運動パターンの変化が生じる可能性があります。
このため、施術時には頸椎だけではなく、
- 骨盤
- 胸椎
- 肩甲骨
- 肩関節
- 頸椎
- 頭部
まで含めた運動連鎖を確認することがあります。
これは「骨盤がズレたから首が痛い」という単純な因果関係を意味するものではありません。
例えば、骨盤・胸郭・肩甲帯・頸椎の動きに偏りがある場合、身体全体の運動パターンを評価することで、頸部だけを繰り返し刺激することを避けるという考え方です。
神経伝達と痛み
痛みは、単純に「傷ついた場所から発生している信号」だけでは説明できません。
末梢組織からの侵害刺激は末梢神経を経由して中枢神経系へ伝達され、脊髄や脳で処理されます。
その過程では、
- 侵害受容器
- 末梢神経
- 脊髄
- 上行性疼痛伝達
- 下行性疼痛調節
- 自律神経系
- 中枢神経系
などが関係します。
そのため、組織の修復が進行していても痛みが残るケースや、画像上の明確な異常がなくても痛みを訴えるケースがあります。
逆に、痛みが軽くても重大な損傷がないとは断定できません。
この点からも、痛みだけを基準に自己判断することは避ける必要があります。
病院(整形外科)と鍼灸整骨院の役割の違い
むち打ち後の対応では、整形外科と鍼灸整骨院は同じ役割ではありません。
それぞれの資格制度と業務範囲が異なるため、症状や必要な評価に応じて適切に使い分けることが重要です。
整形外科で行われる評価
整形外科では医師による診察を受けることができます。
必要に応じて、
- X線検査
- CT
- MRI
- 神経学的評価
- 血液検査など
- 投薬
- 注射
- 他科への紹介
など、医学的診断・治療につながる対応が可能です。
特に交通事故後に強い頸部痛がある場合、神経症状がある場合、骨折などの重大な損傷が疑われる場合には、まず医学的評価が重要になります。
実際、むち打ちに関するガイドラインでは、骨折などの合併症が除外された後は、可能な範囲で活動性を維持し、頸部運動などを含む積極的なアプローチが推奨されています。
柔道整復師が担当する領域
柔道整復師は国家資格者であり、打撲、捻挫、挫傷、骨折、脱臼などに対して柔道整復術を行います。
厚生労働省は、柔道整復師について外科手術や薬品投与を行うことができないこと、骨折・脱臼については原則として医師の同意が必要であることを示しています。
また、健康保険の対象となる柔道整復の範囲についても、打撲、捻挫、挫傷、骨折、脱臼などの負傷が基本となります。単なる肩こりや筋肉疲労は保険対象ではありません。
したがって、鍼灸整骨院では「病院と同じ診断・投薬を行う」という位置付けではなく、国家資格者としての施術範囲の中で、身体機能や筋・関節の状態を確認しながら施術を行います。
どちらを選ぶべきか
| 状態 | 優先して検討する対応 |
|---|---|
| 事故直後で損傷状態が不明 | 整形外科で医学的評価 |
| 強い首の痛み | 整形外科を含めた評価 |
| 手足のしびれ・筋力低下 | 医療機関で評価 |
| 意識障害・強い頭痛など | 速やかな医療機関受診 |
| 骨折・脱臼の疑い | 医療機関で評価 |
| 医学的評価後の運動・身体機能管理 | 状態に応じて鍼灸整骨院 |
| 筋緊張・可動域・運動パターンの評価 | 柔道整復師等による施術を検討 |
| 慢性的な頸部痛 | 医学的評価と運動・生活面を含めた管理 |
整形外科と鍼灸整骨院を「どちらか一方」と考えるのではなく、必要に応じて役割を分担することが重要です。
茨木あゆみ鍼灸整骨院における専門的なアプローチ
茨木あゆみ鍼灸整骨院では、柔道整復師・鍼灸師の資格を基盤として、身体の状態を確認したうえで施術方法を検討します。
重要なのは、受傷直後と時間が経過した状態で、同じ刺激を繰り返すことを前提としないことです。
骨格矯正・骨盤矯正を身体全体の運動評価として考える
「骨格矯正」「骨盤矯正」という言葉は、単純な骨の位置を変える施術として捉えられがちです。
しかし、実際の身体機能を評価する場合には、
- 骨盤
- 脊柱
- 胸郭
- 肩甲骨
- 頸椎
- 股関節
- 筋肉
- 筋膜
- 関節可動域
などを相互に確認することが重要です。
例えば、骨盤や胸椎の動きが制限されることで、日常動作において頸部や肩甲帯の代償運動が増える可能性があります。
そのため骨盤矯正や骨格矯正を行う場合も、「骨盤を矯正すればむち打ちが治る」といった単純な説明ではなく、身体全体の運動連鎖を評価し、必要な部位へ施術を行うという考え方が適切です。
筋膜リリースと軟部組織へのアプローチ
筋膜は筋肉、腱、靭帯などを含む身体組織間の力学的関係に関与します。
むち打ち後には頸部周辺の筋緊張だけでなく、
- 僧帽筋
- 肩甲挙筋
- 胸鎖乳突筋
- 後頭下筋群
- 頸部深層筋
- 胸筋群
- 肩甲帯周辺筋
などの緊張状態を確認する場合があります。
筋膜リリースや軟部組織への手技では、局所の組織だけを強く刺激するのではなく、疼痛や可動域、筋緊張を確認しながら刺激量を調整することが重要です。
特に受傷直後など、組織の状態が不安定な可能性がある時期には、強い刺激を一律に行うことが適切とは限りません。
円皮鍼を用いた低刺激アプローチ
鍼灸では、症状や刺激への耐性などを考慮し、円皮鍼などの低刺激の鍼を選択する方法があります。
円皮鍼は皮膚に比較的浅く刺激を加えるタイプの鍼で、通常の長い鍼を深部まで刺入する方法とは刺激特性が異なります。
2025年に全日本鍼灸学会雑誌で報告されたランダム化クロスオーバー試験では、健常成人男性16名を対象に、多芯円皮鍼による局所血流反応が検討され、刺激後5分に局所血流量の有意な増加が確認されました。研究では、軸索反射、一酸化窒素、体性―自律神経反射などの関与が考察されています。
ただし、この研究は健常成人を対象にした局所血流反応の研究であり、「円皮鍼によってむち打ちの損傷組織が修復する」と直接証明したものではありません。
このように、施術機序として考えられる生理学的反応と、実際の疾患改善効果は分けて考える必要があります。
鍼灸とエビデンス
鍼灸については、頸部痛やむち打ち関連障害に対する研究がありますが、すべての鍼灸施術が一貫して有効であると結論付けられているわけではありません。
過去のシステマティックレビューでは、頸部痛・むち打ち関連障害に対する鍼治療や電気鍼などについて、介入方法や比較対象によって結果が異なり、受傷期間や病態を考慮した評価が必要とされています。
そのため、茨木あゆみ鍼灸整骨院でも、鍼灸を「すべてのむち打ちに適用する万能な施術」として扱うのではなく、身体所見や刺激への反応を確認しながら選択することが重要になります。
EMS治療を補助的に活用する考え方
EMS治療は、Electrical Muscle Stimulation、すなわち電気刺激によって筋肉を収縮させる方法です。
筋力低下や運動不足、随意運動だけでは十分な筋活動を確保しにくい場合などに、補助的な手段として利用されることがあります。
ただし、EMS治療だけでむち打ちの組織損傷を直接修復するという意味ではありません。
むち打ち後の身体機能を考える場合には、
「疼痛評価」
↓
「可動域評価」
↓
「筋緊張・運動パターン評価」
↓
「必要に応じた手技」
↓
「運動機能の再獲得」
↓
「日常生活・仕事への復帰」
というように、複数の要素を組み合わせて考えることが重要です。
実際、頸部痛やむち打ち関連障害に関する臨床ガイドラインでは、運動療法、セルフマネジメント、手技療法などを組み合わせたマルチモーダルなアプローチが示されています。
組織修復の段階によって施術の考え方を変える
受傷直後・炎症反応が強い時期
この時期には、
- 強い疼痛
- 腫脹
- 熱感
- 圧痛
- 筋防御
- 可動域制限
などを確認します。
重要なのは、症状を無視して強い刺激を加えることではありません。
また、骨折や脱臼、神経学的異常などを除外する必要があるケースでは、医療機関による評価を優先します。
増殖期
疼痛や炎症反応の変化を確認しながら、
- 頸部可動域
- 肩甲帯運動
- 胸椎運動
- 筋緊張
- 姿勢
- 日常生活動作
などを評価します。
この段階では、単純に「痛いところを揉む」という考え方ではなく、身体機能の回復を妨げている要因を評価することが重要です。
再構築期(リモデリング)
再構築期では、組織の機械的特性や運動機能が徐々に変化します。
この時期には、
- 可動域改善
- 筋力
- 筋持久力
- 頸部安定性
- 肩甲帯機能
- 姿勢保持
- 日常生活動作
- 仕事復帰
- 運動復帰
などを総合的に考えます。
特に「痛みが減ったから以前と同じ生活に戻す」のではなく、身体が受傷前の活動レベルに段階的に適応できるように負荷を調整することが重要です。
むち打ちと腰痛・骨盤矯正の関連
むち打ちは頸部の外傷ですが、症状が首だけに限定されるとは限りません。
交通事故後に身体全体の筋緊張や運動パターンが変化すると、肩、背中、腰などに負担を感じる場合があります。
ただし、「むち打ちが腰痛の直接原因である」と一律に断定することはできません。
腰痛がある場合には、
- 骨盤の可動性
- 股関節
- 胸椎
- 腰椎
- 腹部・背部筋群
- ハムストリングス
- 日常姿勢
- 座位時間
- 歩行
- 睡眠
- 仕事環境
などを総合的に確認します。
骨盤矯正や骨格矯正も、その一環として身体の運動機能を確認する方法として位置付けることが重要です。
腰痛改善を目的とする場合も、「骨盤を整えれば腰痛が必ず改善する」という説明ではなく、身体機能、筋力、可動域、生活習慣など複数の要因から評価する必要があります。
高槻市・茨木市で交通事故後のむち打ちを考える方へ
高槻市・茨木市周辺では、自動車や自転車、バイクによる移動だけでなく、電車通勤、徒歩、デスクワークなど、さまざまな生活環境があります。
交通事故後の身体状態では、受傷そのものだけでなく、その後の生活環境も症状に影響する可能性があります。
例えばデスクワークでは、
- 長時間の座位
- モニターを見る姿勢
- 肩の挙上
- 頭部前方位
- キーボード操作
- マウス操作
- 運動不足
などが首・肩周辺への持続的負荷につながります。
高槻市から茨木市方面へ通勤する方や、茨木市・高槻市周辺で自動車を利用する方の場合、交通事故後に仕事や家事を継続しながら身体を管理する必要が生じるケースもあります。
そのため、むち打ち後の身体管理では、受傷部位だけでなく、
「事故による負荷」
「現在の組織修復段階」
「頸部可動域」
「筋緊張」
「肩甲帯」
「胸椎」
「骨盤・腰部」
「仕事環境」
「睡眠」
「運動量」
を総合的に確認することが重要です。
茨木あゆみ鍼灸整骨院では、茨木市を中心に、高槻市方面からの来院も含め、身体の状態や生活背景を確認しながら施術内容を検討します。
よくある質問|むち打ちの組織修復と施術
Q1. むち打ちの炎症期はどのくらい続きますか?
炎症期は一定の日数で完全に終了するものではありません。組織によって修復速度が異なり、炎症、細胞増殖、組織再構築は一部重なりながら進行します。
靭帯などの軟部組織では、炎症後に増殖・修復が進み、その後のリモデリングが数か月以上続くことがあります。
そのため「受傷から○日なら必ずこの施術」という一律の基準ではなく、症状、可動域、機能、医学的評価などを総合的に判断する必要があります。
Q2. むち打ちで首が痛い場合、すぐにマッサージしても大丈夫ですか?
受傷直後の強い疼痛や腫脹、神経症状などがある場合には、自己判断で強いマッサージを行うことは適切とは限りません。
まず重大な損傷がないか確認することが重要です。
医学的評価によって合併症が除外された後は、状態に応じて活動性を維持し、頸部の運動などを段階的に行うことが推奨されています。
Q3. むち打ちに骨盤矯正や骨格矯正は必要ですか?
すべてのむち打ちに骨盤矯正や骨格矯正が必要というわけではありません。
施術を検討する場合には、骨盤、胸椎、肩甲帯、頸椎などの可動性や運動連鎖を評価し、症状や身体機能との関連を確認します。
「骨盤の歪みがむち打ちの原因」と単純化するのではなく、身体全体の運動機能を確認するための評価・施術として考えることが適切です。
Q4. 円皮鍼はむち打ちに効果がありますか?
円皮鍼については、局所血流などの生理学的反応を検討した研究があります。
2025年のランダム化クロスオーバー試験では、健常成人男性を対象とした多芯円皮鍼刺激で、刺激部位の局所血流量が増加しました。研究では軸索反射などの関与が考察されています。
ただし、この研究結果だけから「円皮鍼がむち打ちの損傷組織を修復する」と結論付けることはできません。
そのため、円皮鍼は身体状態や刺激への反応を確認しながら、施術手段の一つとして検討することが適切です。
Q5. むち打ち後に腰痛もあります。首と腰を一緒に施術できますか?
首と腰に症状がある場合でも、症状の原因が同一とは限りません。
事故による身体への負荷、筋緊張、活動量の変化、座位姿勢、睡眠、運動不足など複数の要素が関係する可能性があります。
そのため、頸部だけでなく胸椎、骨盤、股関節、腰部、肩甲帯などを含めて身体全体の動きを評価し、必要な部位を判断することが重要です。
まとめ|むち打ちは「時間経過」と「組織状態」を考慮した対応が重要
むち打ち後の組織修復は、
「炎症期」
↓
「増殖期」
↓
「再構築期(リモデリング)」
という複数の生体反応が重なりながら進行します。
炎症期には炎症細胞や血管反応、増殖期には線維芽細胞やコラーゲン形成、再構築期にはコラーゲン線維の配向や組織構造の変化などが関係します。
この過程は一律の日数で区切れるものではなく、損傷した組織、負傷程度、症状、活動量、年齢、生活環境などによって異なります。
また、むち打ち後の対応では、整形外科による画像診断・医学的評価と、柔道整復師・鍼灸師による身体機能への施術は役割が異なります。
強い痛み、神経症状、骨折などが疑われる場合には医療機関での評価が重要です。
医学的な評価後には、状態に応じて運動、セルフマネジメント、手技療法などを組み合わせるマルチモーダルな管理が検討されます。
茨木あゆみ鍼灸整骨院では、骨格矯正、骨盤矯正、筋膜・軟部組織への手技、鍼灸、円皮鍼、EMS治療などを、すべての方に一律に行うのではなく、身体の状態や刺激への反応を確認しながら施術方法を検討します。
特に刺激に敏感な方には、低刺激の円皮鍼を選択肢の一つとして検討することもあります。
「姿勢を無理に矯正する」という発想ではなく、頸椎だけに着目せず、骨盤・胸椎・肩甲帯・筋肉・関節可動域などを含めて身体全体の運動機能を確認することが、施術方針を考えるうえで重要です。
高槻市・茨木市周辺で、交通事故後のむち打ち、首の痛み、肩こり、腰痛、身体の動かしにくさなどについて相談する場合は、症状の経過と受傷状況を含めて専門家に伝えることが重要です。
茨木あゆみ鍼灸整骨院の根本改善治療・施術メニュー
骨格矯正、骨盤矯正、鍼灸、円皮鍼、EMS治療など、当院で実施している施術内容について詳しく確認したい方は、以下をご覧ください。
参考情報・エビデンス
- むち打ち関連障害に対する臨床実践ガイドラインでは、近時・持続性の頸部痛やWADに対して、運動、セルフマネジメント、手技療法などを組み合わせたマルチモーダルな対応が検討されています。
- 合併症が除外された非複雑性のむち打ちでは、活動性を維持し、頸部運動を段階的に行う考え方が示されています。
- 靭帯損傷の組織修復研究では、炎症、増殖、リモデリングが重なりながら進行し、リモデリングは数か月からさらに長期間続く場合があります。
- 円皮鍼については、2025年のランダム化クロスオーバー試験で局所血流反応が検討されていますが、健常者を対象とした生理学的研究であり、むち打ちの組織修復効果を直接証明した研究ではありません。
- 柔道整復師の業務範囲、外科手術・薬品投与の制限、骨折・脱臼への施術制限については柔道整復師法に規定されています。
- 柔道整復療養費について、厚生労働省は打撲・捻挫・挫傷・骨折・脱臼等を保険対象として示し、単なる肩こりや筋肉疲労は保険対象外としています。
情報の信頼性について
本記事では、むち打ち関連障害の臨床ガイドライン、PubMed収載研究、靭帯組織修復に関する査読研究、全日本鍼灸学会雑誌、厚生労働省資料などを基礎資料として使用しています。
一方、「骨盤矯正」「骨格矯正」「筋膜リリース」「円皮鍼」「EMS治療」などの施術については、それぞれの生理学的作用と、むち打ちそのものに対する臨床効果を混同しないことが重要です。
したがって、本記事では「特定の施術によって損傷組織が必ず修復する」「必ず痛みがなくなる」といった医学的根拠を超える断定は行わず、組織修復の生物学的過程と、施術を検討する際の考え方を区別して記載しています。

