スポーツ競技では、練習量の増加、反復動作、遠征、睡眠不足、試合前の心理的緊張などが重なることで、筋肉の過緊張、局所的な疼痛、腰痛、肩こり、股関節や膝周囲の違和感、疲労感などが発生することがあります。
こうしたコンディション管理では、薬剤に依存せず、競技日程に合わせて身体状態を調整する方法が求められる場合があります。
その選択肢の一つが鍼灸です。
特に円皮鍼(えんぴしん)は、一般的な鍼を深く刺入する施術と比較して刺激を抑えやすく、皮膚への持続的な刺激を利用するタイプの鍼具として、疼痛や筋緊張に対するコンディショニングの選択肢になります。
ただし、「円皮鍼なら絶対にドーピングにならない」「円皮鍼なら必ず筋肉が緩む」「円皮鍼だけで腰痛が改善する」といった断定は適切ではありません。
2026年のWADA禁止表では、禁止物質・禁止方法について具体的なカテゴリーが定められており、円皮鍼そのものが禁止物質または禁止方法として掲載されているわけではありません。一方、競技者は自分の体内に入る物質や使用する治療法について最終的な責任を負うため、鍼具とは別に、施術時に使用する薬剤やサプリメント、注射・点滴などの扱いを確認する必要があります。(WADA 2026 Prohibited List)
本記事では、円皮鍼の構造、疼痛・筋緊張に対する理論的背景、スポーツ障害との関係、腰痛や骨盤・骨格の機能評価、鍼灸とEMS治療の使い分け、整形外科との役割分担、高槻市・茨木市でスポーツコンディショニングを考える際のポイントまで整理します。
- 1.スポーツ現場で使用される円皮鍼とは?持続刺激を利用した鍼灸コンディショニング
- 2.スポーツ選手の筋緊張・腰痛・疲労が発生するメカニズム
- 3.腰痛とスポーツコンディショニング|円皮鍼だけに依存しない評価
- 4.円皮鍼はなぜ筋緊張・疼痛へのアプローチとして利用されるのか
- 5.円皮鍼と「血流改善」の考え方
- 6.円皮鍼とドーピング|2026年WADA禁止表から考える安全性
- 7.スポーツ選手における「薬剤を使わないコンディショニング」の意味
- 8.整形外科と整骨院・鍼灸院の役割分担
- 9.当院における円皮鍼・鍼灸・骨格矯正・EMS治療の組み合わせ
- 10.EMS治療を円皮鍼とどう使い分けるか
- 11.円皮鍼とスポーツ障害・慢性痛・筋肉痛
- 12.高槻市・茨木市でスポーツコンディショニングを考える場合のポイント
- 13.円皮鍼・スポーツ鍼灸に関するよくある質問
- 14.まとめ|円皮鍼は「ドーピング対策」そのものではなく、低刺激コンディショニングの選択肢
1.スポーツ現場で使用される円皮鍼とは?持続刺激を利用した鍼灸コンディショニング
円皮鍼の基本構造
円皮鍼は、皮膚表面またはごく浅い領域に微細な刺激を持続的に加えることを目的とした鍼具です。
一般的な鍼灸施術では、鍼を一定時間刺入して抜去する方法が中心となりますが、円皮鍼は一定時間貼付しておくことで、日常動作中にも局所への刺激を維持するという特徴があります。
このため、
- 強い刺激が苦手
- 一般的な鍼の刺激に不安がある
- 試合前に大きな施術刺激を避けたい
- 練習後のコンディショニングを補助したい
- 局所の筋緊張や疼痛感覚を管理したい
といった競技者にとって、一つの選択肢になります。
「持続的な鎮痛」とは何か
円皮鍼を説明する際に「持続的な鎮痛」という表現が使われることがあります。
ただし、これは「痛みの原因となっている組織損傷を持続的に治療する」という意味ではありません。
疼痛は、侵害受容器、末梢神経、脊髄、脳、筋活動、心理的要因、睡眠、疲労など複数の要素が関係する複合的な生体反応です。
局所刺激によって求心性の感覚入力が生じることで、疼痛処理に関係する神経系へ影響する可能性が考えられています。
一方、ヒトを対象とした研究では、鍼灸の鎮痛効果や筋肉痛に対する効果が示される研究と、シャム鍼や対照群との差が限定的な研究の双方があります。
したがって、円皮鍼を「痛みを確実に消す方法」と説明するのではなく、「疼痛や筋緊張に対するコンディショニング手段の一つ」と位置づけることが科学的に適切です。
円皮鍼と通常の鍼灸の違い
| 項目 | 通常の鍼灸 | 円皮鍼 |
|---|---|---|
| 刺激方法 | 一定時間刺鍼 | 貼付による持続刺激 |
| 刺激量 | 調整幅が大きい | 比較的低刺激に設定しやすい |
| 使用時間 | 施術中中心 | 貼付中も刺激が継続 |
| 競技前 | 状態により使用 | 低刺激の選択肢として検討 |
| 強刺激への苦手意識 | 不安を感じる場合あり | 比較的利用しやすい |
| 目的 | 疼痛・筋緊張・全身状態等 | 疼痛・筋緊張等の補助 |
| パフォーマンス向上 | 直接保証できない | 直接保証できない |
2.スポーツ選手の筋緊張・腰痛・疲労が発生するメカニズム
スポーツによる筋肉の緊張を「筋肉が硬い」という一つの状態だけで説明することはできません。
筋緊張と筋収縮
筋肉には、
- アクチン
- ミオシン
- 筋小胞体
- カルシウムイオン
- 運動神経
- 神経筋接合部
- 筋紡錘
- 腱器官
などが関与しています。
運動神経からの刺激によって筋線維が収縮し、その結果として関節運動や姿勢保持が成立します。
したがって「筋肉を緩めること」が必ずしも競技能力向上につながるわけではありません。
競技動作では、筋の適切な張力、反応性、弾性、協調性が必要です。
問題になるのは、競技上必要な筋活動ではなく、動作や回復に対して過剰となっている緊張です。
筋緊張が問題になりやすい部位
スポーツでは競技種目により異なりますが、代表的には、
- 腰部
- 腸腰筋周囲
- 臀部
- ハムストリングス
- 大腿四頭筋
- 内転筋群
- 下腿三頭筋
- 腓骨筋群
- 背部
- 僧帽筋
- 肩甲挙筋
- 菱形筋
- 大胸筋
- 前腕屈筋群
- 前腕伸筋群
などがあります。
例えばランニングでは下肢から骨盤、体幹までの運動連鎖が重要になります。
足部や足関節の可動性が不足している場合、膝や股関節、骨盤、腰部の運動パターンに代償が生じる可能性があります。
野球やテニスなどの回旋競技では、
足部 → 下肢 → 骨盤 → 腰椎 → 胸椎 → 肩甲帯 → 上肢
という運動連鎖が重要になります。
そのため、肩が痛いから肩だけを施術する、腰が痛いから腰だけを施術する、という局所的な評価だけでは不十分な場合があります。
3.腰痛とスポーツコンディショニング|円皮鍼だけに依存しない評価
スポーツ選手の腰痛には、筋・筋膜由来の疼痛、椎間関節周辺の問題、椎間板関連疼痛、仙腸関節周囲の疼痛など、複数の可能性があります。
若年競技者では、腰椎伸展・回旋負荷を繰り返す競技において、腰椎分離症などを含めた鑑別が重要になります。
腰痛で確認すべき項目
問診
- 発症時期
- 急性か慢性か
- 練習中だけ痛いか
- 日常生活でも痛いか
- 朝に強いか
- 夜間も痛いか
- 安静時にも痛いか
- 腰椎伸展で悪化するか
- 回旋で悪化するか
- 下肢への放散痛
- しびれ
- 筋力低下
- 外傷歴
- 競技種目
- 練習量
- 大会までの日数
などを確認します。
身体評価
- 腰椎可動域
- 股関節可動域
- 足関節可動域
- ハムストリングス柔軟性
- 股関節周囲筋力
- 体幹筋機能
- 片脚立位
- スクワット
- ランジ
- 競技特異的動作
などを評価します。
円皮鍼を使用してはいけない状態がある
例えば、
- 原因不明の強い疼痛
- 明確な外傷
- 強い腫脹
- 発熱
- 感染が疑われる
- 著明な神経症状
- 急激な筋力低下
- 排尿・排便障害
- 骨折が疑われる
- 安静時・夜間に著明に悪化する疼痛
などがある場合、単純に円皮鍼や整体施術を行うのではなく、医療機関での診察を優先する必要があります。
円皮鍼は診断機器ではなく、骨折、椎間板疾患、神経障害、靭帯損傷などを除外するものではありません。
4.円皮鍼はなぜ筋緊張・疼痛へのアプローチとして利用されるのか
感覚入力と疼痛調節
鍼刺激では、皮膚や皮下組織への機械的刺激によって末梢の感覚神経が刺激されます。
そこから脊髄などの中枢神経系へ情報が入力され、疼痛の伝達・調節に関係する神経機構へ影響する可能性があります。
鍼灸の鎮痛メカニズムについては、末梢神経刺激だけではなく、
- 脊髄レベルの疼痛調節
- 下行性疼痛抑制系
- 内因性オピオイド
- アデノシン等の局所メディエーター
- 自律神経系
- 中枢性疼痛処理
など複数の機序が研究されています。
ただし、これらをすべて「円皮鍼を貼れば必ず起こる反応」とするのは過剰な解釈です。
臨床では、疼痛の変化、圧痛、可動域、筋緊張、動作などを施術前後に比較し、個人差を考慮する必要があります。
筋弛緩という言葉の注意点
「円皮鍼で筋肉が弛緩する」という説明も、厳密には「筋緊張の主観的・機能的な変化が得られる可能性がある」という程度に整理することが適切です。
筋肉の硬さには、
- 筋線維の収縮
- 筋膜の状態
- 組織水分
- 疼痛による防御性収縮
- 運動単位活動
- 姿勢制御
- 心理的ストレス
- 睡眠不足
などが関係します。
したがって、単純に「血流を良くすれば筋肉が柔らかくなる」という一方向の説明は不十分です。
5.円皮鍼と「血流改善」の考え方
鍼灸の説明では「血流改善」という言葉が使用されることがあります。
ただし、血流変化が観察されたとしても、それだけで競技パフォーマンスの向上や組織損傷の修復を意味するわけではありません。
運動時には、
心拍出量 → 血管抵抗 → 局所血流 → 酸素供給 → 代謝産物の処理
など複数の生理学的要素が関与します。
また、筋肉内の血流は、
- 運動強度
- 筋収縮
- 血圧
- 体温
- 自律神経
- 局所代謝
- 血管内皮機能
などによって変化します。
当院では円皮鍼を「血流を改善して病気を治す」という単純な方法としてではなく、疼痛や筋緊張等に対する低刺激のコンディショニング手段として位置づけています。
特に強い刺激が苦手な競技者に対しては、一般的な鍼刺激ではなく円皮鍼という選択肢を検討します。
6.円皮鍼とドーピング|2026年WADA禁止表から考える安全性
円皮鍼そのものはWADA禁止物質ではない
ここはスポーツ選手にとって重要なポイントです。
WADAの禁止表は、禁止物質と禁止方法をカテゴリーごとに定めています。
2026年の禁止表には、アナボリック薬、ペプチドホルモン・成長因子関連物質、β2作用薬、ホルモン・代謝調節薬、利尿薬・隠蔽薬、興奮薬、麻薬、カンナビノイド、血液・血液成分の操作、遺伝子・細胞ドーピング、化学的・物理的操作などが含まれています。(WADA 2026)
現行の2026年禁止表を確認した範囲では、円皮鍼そのものはこれらの禁止物質・禁止方法として掲載されていません。
そのため、
「円皮鍼という鍼具そのものに禁止薬物が含まれているためドーピング違反になる」
という考え方は適切ではありません。
ただし「どんな鍼灸でもドーピング上完全に問題ない」とは言えない
ここは非常に重要です。
例えば鍼そのものは薬剤ではありませんが、施術と同時に、
- 鎮痛薬
- ステロイド
- 注射薬
- 点滴
- その他の医薬品
- 漢方薬
- サプリメント
などを使用すれば、別途ドーピング規則の確認が必要になる可能性があります。
WADAの禁止表は毎年更新されます。USADAも、禁止表は毎年更新され、2026年版が2026年1月1日から有効であることを案内しています。また、薬剤についてはGlobal DRO等で最新の禁止状況を確認することが推奨されています。
さらに、アスリートにはStrict Liability(厳格責任)の原則があり、最終的に自分の体内に入った物質について競技者自身が責任を負います。
したがって、競技選手に対しては、
「円皮鍼はWADA禁止表に掲載された禁止物質・禁止方法ではない」
と、
「使用する薬剤やサプリメントまで自動的に安全とは限らない」
を分けて説明する必要があります。
7.スポーツ選手における「薬剤を使わないコンディショニング」の意味
スポーツ現場では、疼痛が存在するからといって必ずしも薬剤を使用するとは限りません。
もちろん、必要な医療として薬剤が処方される場合は、医師の指示に従うことが前提です。
一方で、慢性的な筋緊張や練習後の身体の張りなどに対しては、
- 睡眠
- 栄養
- 水分
- 休養
- アクティブリカバリー
- ストレッチ
- 負荷調整
- 徒手的施術
- 鍼灸
- 円皮鍼
- 運動療法
- EMS治療
など複数の手段を組み合わせることができます。
円皮鍼の特徴は、その中で薬剤を身体に投与する方法ではなく、局所刺激を利用する点にあります。
そのため、薬剤使用を最小限にしたい競技者のコンディショニングにおける一つの選択肢として考えることができます。
ただし、これは「薬剤より優れている」という意味ではありません。
疾患や外傷によっては、医師による診断と薬物療法が必要です。
8.整形外科と整骨院・鍼灸院の役割分担
整形外科
整形外科は医師による診断を行う医療機関です。
必要に応じて、
- X線
- MRI
- CT
- 超音波
- 血液検査
- 神経学的評価
- 薬物療法
- 注射
- 手術
- 医学的リハビリテーション
などが実施されます。
明確な外傷、骨折疑い、脱臼、重度の靱帯損傷、神経障害、重篤な腰痛、感染や炎症の疑いなどでは、医療機関での評価が必要です。
柔道整復師
厚生労働省の職業情報では、柔道整復師は骨折、脱臼、捻挫、打撲などの損傷に対する整復、固定、後療法、運動療法、物理療法などを担う専門職とされています。骨折・脱臼については、応急手当てを除き、医師の同意を得て施術することとされています。
また、柔道整復師の業務では、損傷状態を評価し、自然治癒力や損傷程度に応じて施術方針を判断することが重要になります。
鍼灸師
はり師・きゅう師も国家資格であり、厚生労働省による国家試験制度が設けられています。試験科目には解剖学、生理学、病理学、臨床医学、リハビリテーション医学、東洋医学、経絡経穴などが含まれます。
したがって、スポーツコンディショニングにおける鍼灸は、「単に痛い場所に鍼を刺す」というものではなく、解剖学、生理学、運動器評価などを踏まえた施術として考える必要があります。
9.当院における円皮鍼・鍼灸・骨格矯正・EMS治療の組み合わせ
茨木市あゆみ鍼灸整骨院では、12年以上の臨床経験を基礎に、症状部位だけでなく、身体全体の運動連鎖を確認したうえで施術方針を組み立てます。
基本的な評価プロセス
STEP1:症状評価
- 腰痛
- 肩痛
- 膝痛
- 股関節痛
- 足関節痛
- 筋肉痛
- 筋緊張
- 運動後疲労
などの状態を確認します。
STEP2:関節機能評価
- 骨盤
- 股関節
- 膝
- 足関節
- 脊柱
- 肩関節
- 肩甲帯
などを評価します。
STEP3:動作評価
必要に応じて、
- 歩行
- 片脚立位
- スクワット
- ランジ
- ジャンプ
- 着地
- 回旋
- 競技特異的動作
などを確認します。
STEP4:施術方法を選択
状態に応じて、
- 骨格矯正
- 骨盤への徒手的アプローチ
- 整体施術
- 筋膜への徒手的アプローチ
- 鍼灸
- 円皮鍼
- EMS治療
- 運動療法
などを組み合わせます。
骨盤矯正・骨格矯正の位置づけ
骨盤矯正、骨格矯正という名称だけを見ると、「骨を正しい場所へ永久的に移動させる」というイメージがあります。
実際のコンディショニングでは、
- 関節可動性
- 筋緊張
- 姿勢制御
- 荷重パターン
- 運動協調性
- 身体感覚
などを総合的に捉えることが重要です。
当院では無理な姿勢矯正を強要せず、「骨格矯正をベースにした根本アプローチ」により、身体を動かしやすくすること、痛みを繰り返しにくい状態を目指すことを重視します。
「根本改善」という表現についても、すべての腰痛やスポーツ障害を一度の施術で治すという意味ではなく、症状だけを追うのではなく、身体機能や生活・競技動作まで含めて問題を評価するという意味で使用します。
10.EMS治療を円皮鍼とどう使い分けるか
EMS治療と円皮鍼は目的が異なります。
EMSは電気刺激によって筋収縮を誘発する方法であり、筋活動の補助、筋力トレーニングの補助、筋活動の感覚入力などを目的に利用されます。
一方、円皮鍼は低刺激の持続的な感覚刺激を利用します。
| 項目 | 円皮鍼 | EMS治療 |
|---|---|---|
| 主な刺激 | 微細な鍼刺激 | 電気刺激 |
| 主対象 | 疼痛・筋緊張等 | 筋活動・筋収縮 |
| 筋収縮 | 直接の主目的ではない | 電気刺激により誘発 |
| 使用目的 | 低刺激コンディショニング | 筋活動補助 |
| 大会前 | 状態に合わせ検討 | 刺激量に注意 |
| 薬剤 | 使用しない鍼具 | 使用しない電気刺激 |
| ドーピング | 鍼具自体はWADA禁止表対象ではない | 電気刺激自体はWADA禁止表対象ではないが競技団体規則確認が必要な場合あり |
重要なのは、「刺激を加えること」そのものではありません。
大会前は、トレーニングによって形成された競技能力を維持しながら、疲労や痛みを残しすぎないことが優先されます。
したがって、EMS治療についても「強ければ効果が高い」と考えるのではなく、競技日程と筋疲労を考慮して使用します。
11.円皮鍼とスポーツ障害・慢性痛・筋肉痛
DOMS(遅発性筋肉痛)
DOMSは、普段より強い運動、特にエキセントリック収縮を伴う運動後に発生しやすい筋肉痛です。
一般的には運動直後ではなく、時間をおいて疼痛や圧痛が強くなります。
鍼灸とDOMSについては複数の研究があります。
2020年のメタ解析では、激しい運動後のDOMSに対して鍼治療が疼痛評価、CK、最大等尺性筋力に一定の改善を示したと報告されています。
一方、同じ領域を対象とした別の系統的レビューでは、RCTが5件、182人を対象としており、鍼治療が無治療より有効だった研究がある一方で、有意差がみられない研究もあり、バイアスや研究方法上の問題からエビデンスは限定的・不一致と評価されています。
さらに15研究を含む別のメタ解析でも、DOMSに対する疼痛軽減効果は小さい範囲にとどまり、十分な高品質研究が不足していると結論づけられています。
つまり、現時点で科学的に妥当な説明は、
「鍼灸がDOMSや運動後の筋肉痛に有用である可能性は研究されているが、効果は一律ではなく、すべての競技者に同じ結果が出るとは限らない」
というものです。
腰痛・肩こり・膝痛
腰痛や肩こりなどの慢性疼痛についても、鍼灸は補完的な疼痛管理手段として研究されています。
ただし、疼痛が軽減したからといって、原因となる損傷や構造異常がすべて消失したとは限りません。
特にスポーツ選手では「痛くなくなった=競技復帰可能」とは限りません。
痛みの程度だけでなく、
- 筋力
- 可動域
- 協調性
- 競技動作
- 荷重耐性
- 再発要因
などを確認することが必要です。
12.高槻市・茨木市でスポーツコンディショニングを考える場合のポイント
高槻市、茨木市周辺には、学校部活動、クラブチーム、社会人スポーツ、ランニング、野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、テニス、ゴルフ、格闘技、トレーニングなど、幅広い競技環境があります。
スポーツ選手の身体負荷は競技中だけで決まりません。
例えば、
- 通勤・通学
- デスクワーク
- 長時間座位
- 車での移動
- 遠征
- 睡眠不足
- 仕事後の夜間練習
- 大会前の練習量増加
- ウェイトトレーニング
- 食事リズムの変化
などが重なることで、腰部、股関節、肩、膝などに負荷が蓄積する場合があります。
高槻市から茨木市へ通う競技者
高槻市方面から茨木市園田町周辺へ通う競技者の場合、通院そのものもコンディショニング計画に含める必要があります。
大会直前に初めて強い施術を受けるより、
- 大会数週間前に身体評価
- 競技動作の問題確認
- 筋緊張・関節可動性評価
- 大会1週間前から刺激量を調整
- 直前は低刺激の円皮鍼等を必要に応じて選択
というように、時間軸を持って管理する方が合理的です。
茨木市あゆみ鍼灸整骨院は、大阪府茨木市園田町に位置し、地域のスポーツ愛好家から日常生活で腰痛や肩こりなどを抱える方まで、運動器コンディショニングを含めた施術を行っています。
13.円皮鍼・スポーツ鍼灸に関するよくある質問
Q1.円皮鍼はドーピング検査に引っかかりますか?
2026年WADA禁止表を確認した範囲では、円皮鍼そのものはWADAの禁止物質・禁止方法として掲載されていません。したがって、円皮鍼という鍼具を使用すること自体を、禁止薬物の使用と同一視することはできません。
ただし、鍼治療と同時に使用する医薬品、注射、点滴、サプリメント等については別途確認が必要です。
競技者は体内に入る物質について責任を負うため、競技団体の規則と最新のWADA/JADA情報を確認することが重要です。薬剤についてはGlobal DRO等の最新情報を利用します。
Q2.円皮鍼で筋肉は緩みますか?
円皮鍼による局所刺激が疼痛や筋緊張などに影響する可能性はあります。
しかし、すべての筋肉が必ず弛緩するわけではありません。
筋緊張には、筋活動、疼痛、防御反応、姿勢制御、心理的ストレス、疲労など複数の因子が関係します。
そのため、円皮鍼単独ではなく、骨格矯正、筋膜への徒手的アプローチ、運動療法、必要に応じてEMS治療などと組み合わせます。
Q3.試合前でも円皮鍼を使用できますか?
使用を検討できる場合がありますが、競技直前に初めて使用するより、事前に刺激感や皮膚反応などを確認しておく方が安全です。
また、貼付部位、皮膚状態、競技中の接触、発汗、テーピングなども考慮する必要があります。
Q4.円皮鍼は腰痛改善にも使えますか?
腰痛に対する補助的なコンディショニング手段として検討できます。
ただし、腰痛には筋・関節・椎間板・神経など複数の原因が考えられるため、円皮鍼を貼るだけでは十分ではありません。
特に下肢のしびれ、筋力低下、排尿・排便障害、強い外傷後の腰痛、発熱などがある場合は、整形外科等での評価を優先します。
Q5.鍼が苦手でも鍼灸を受けられますか?
強い刺激が苦手な方には、刺激量を抑えやすい円皮鍼という選択肢があります。
ただし、「完全に無痛」と保証するものではありません。
当院では刺激への不安を確認し、通常の鍼、円皮鍼などから状態に応じた方法を検討します。
14.まとめ|円皮鍼は「ドーピング対策」そのものではなく、低刺激コンディショニングの選択肢
円皮鍼は、皮膚への微細な刺激を一定時間維持する鍼具です。
スポーツコンディショニングにおいては、
- 腰痛
- 筋肉の張り
- 筋緊張
- 運動後の筋肉痛
- 肩周囲の違和感
- 下肢の疲労感
- 大会前の身体調整
などに対する補助的な方法として利用できます。
特に強刺激が苦手な方にとっては、通常の鍼灸とは異なる低刺激の選択肢になります。
また、2026年WADA禁止表では円皮鍼そのものが禁止物質・禁止方法として掲載されていないため、鍼具そのものをドーピング薬物と捉える必要はありません。
ただし、ここから「円皮鍼なら絶対にドーピングの心配がない」と一般化することはできません。
競技者が注意すべきなのは、円皮鍼そのものだけでなく、同時に使用する医薬品、注射、点滴、サプリメント、漢方薬などを含めた全体のドーピング管理です。
WADA禁止表は毎年更新され、2026年版も禁止物質・禁止方法の追加や変更が行われています。最新情報を確認することが必要です。
競技パフォーマンスの維持には、「筋肉をできるだけ柔らかくする」という単純な考え方ではなく、
疼痛管理
筋緊張の調整
関節可動性
骨盤・骨格の運動機能
神経筋協調性
睡眠
疲労回復
トレーニング負荷
競技特異的動作
を統合的に評価する必要があります。
茨木市あゆみ鍼灸整骨院では、12年以上の臨床経験に基づき、痛みのある場所だけを機械的に施術するのではなく、身体全体の運動連鎖を評価し、競技者の状態に応じたコンディショニングを考えます。
無理な姿勢矯正を強要するのではなく、「骨格矯正をベースにした根本アプローチ」を基本として、腰痛、肩こり、膝痛などの疼痛だけでなく、関節可動性や筋緊張、身体の使い方まで考慮します。
鍼灸については、強い刺激が苦手な方に対して、円皮鍼(えんぴしん)を用いた低刺激のアプローチを優先的に提案します。
円皮鍼、通常の鍼灸、骨盤矯正、骨格矯正、整体施術、筋膜への徒手的アプローチ、EMS治療などを、すべて同じ目的で使用するのではなく、その時点で必要な施術を選択することがスポーツコンディショニングでは重要です。
なお、強い外傷、著明な腫脹、荷重困難、強い神経症状、筋力低下、発熱、安静時・夜間に悪化する疼痛などがある場合は、まず整形外科などの医療機関で診察を受けることが優先されます。
高槻市・茨木市周辺で、スポーツによる腰痛や筋緊張、慢性的な身体の張り、試合前のコンディショニング、鍼灸、円皮鍼、骨盤矯正、骨格矯正、EMS治療などを検討する場合も、競技日程と身体状態を合わせて施術計画を考えることが重要です。

