1.成長期のスポーツ障害とは|成人と同じ考え方では評価できない理由
成長期のスポーツ障害の定義
成長期のスポーツ障害とは、児童・中学生・高校生など、骨格系が成熟途中にある時期に、スポーツ活動・部活動・クラブ活動・トレーニングなどを背景として発生する筋骨格系の問題を総称したものです。
代表的な問題には、
- スポーツ外傷
- オーバーユース障害
- 成長板損傷
- 骨端症
- アポフィジス関連障害
- 疲労骨折
- 腱障害
- 筋損傷
- 靭帯損傷
- 関節障害
- 腰痛
- 腰椎分離症
- 成長期特有の膝痛
- 足関節障害
- 肩・肘の投球障害
などがあります。
成長期の最大の特徴は、
「身体が完成していない状態で、スポーツに必要な高い負荷を受ける」
ことです。
成人では骨格が基本的に成熟していますが、成長期には、
- 骨
- 成長板
- 骨端
- アポフィシス
- 腱付着部
- 筋
- 関節
- 神経筋制御
が発達途中にあります。
そのため、同じ「膝が痛い」「腰が痛い」「かかとが痛い」という症状でも、成人とは原因やリスク評価が異なります。
小児・青年アスリートは成人と同様の外傷を受ける一方、成長の影響によって成長板、アポフィシス、関節面などが特有の障害部位となります。2025年更新の思春期アスリートに関するコンセンサスでも、12~18歳では成長・発達に応じた専門的な評価と対応が必要とされています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
2.成長期の骨格はなぜスポーツ障害を起こしやすいのか
成長板(growth plate)とは
成長板は、医学的には**epiphyseal plate(骨端成長板)**と呼ばれる軟骨性組織です。
長管骨では、
骨幹端
+
成長板
+
骨端
という構造が存在します。
成長板では軟骨細胞が増殖・肥大し、その後に骨化することで長骨が長くなります。
つまり成長期には、
骨が伸びている途中
です。
そのため、成熟した成人の骨とは組織特性が異なります。
成長板への反復負荷
成長期に、
ジャンプ
+
着地
+
スプリント
+
方向転換
+
投球
+
キック
+
重量トレーニング
などを繰り返すと、成長板やその周辺に反復的な機械的ストレスが加わります。
特に問題になるのが、
トレーニング負荷の増加速度
です。
普段の練習量が少ない状態から、
急に練習日数が増える
+
自主練習が増える
+
大会が続く
という変化が起こると、組織が適応する前に負荷が高くなる可能性があります。
3.アポフィシスと成長期特有のスポーツ障害
成長期では**apophysis(アポフィシス)**も重要です。
アポフィシスは、筋や腱の付着部に関連する骨の成長部位です。
代表例として、
- 脛骨粗面
- 踵骨隆起
- 上前腸骨棘
- 下前腸骨棘
- 坐骨結節
などがあります。
成長期では、筋・腱による牽引力が繰り返し加わることで、こうした部位に痛みが生じることがあります。
代表的な疾患・障害として、
- オスグッド・シュラッター病
- セーバー病
- 骨盤周辺の牽引性障害
- 成長期の付着部障害
などがあります。
成長期のオーバーユース障害では、骨端板、関節軟骨、アポフィシスなどが重要な障害部位となることが古くから指摘されています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
4.「成長痛」とスポーツ障害は同じではない
「成長期だから痛い」と一括りにすることは適切ではありません。
成長に伴う一過性の痛み
- 夜間に下肢が痛む
- 運動中とは必ずしも一致しない
- 腫脹などの明らかな局所所見がない
などのパターンがあります。
一方、
スポーツ障害が疑われる症状
- 運動すると毎回痛む
- 特定動作で再現する
- 徐々に痛みが強くなる
- 腫れがある
- 圧痛が明確
- パフォーマンスが低下する
- 朝や日常生活でも痛い
- 休んでも改善しない
などがあります。
「成長期だから仕方がない」と判断してスポーツ障害を見逃さないことが重要です。
5.成長期のスポーツ障害を生む多角的要因
| 要因 | 具体例 | 成長期での意味 |
|---|---|---|
| 骨格成熟 | 成長板・骨端 | 成人と組織特性が異なる |
| 急激な身長変化 | 成長スパート | 筋・腱との相対的な変化 |
| 筋柔軟性 | 大腿・下腿・股関節 | 一時的な動作変化 |
| 筋力 | 体幹・臀部・下肢 | 負荷への対応能力 |
| 技術 | 着地・投球・走動作 | 力の伝達に影響 |
| 練習量 | 部活+クラブ+自主練 | 総負荷増加 |
| 回復 | 睡眠不足 | 適応・回復に影響 |
| 栄養 | エネルギー不足 | 成長・競技双方に影響 |
| 競技特性 | 片側動作・ジャンプ | 局所負荷増加 |
| 心理的要因 | 試合・レギュラー争い | 痛みの無視につながる可能性 |
6.成長スパートとスポーツ障害
思春期では、身長が短期間で急激に伸びることがあります。
この時期には、
骨長の変化
+
筋・腱の適応
+
運動制御の変化
が同時に起こります。
そのため、一時的に、
- 身体が硬く感じる
- 動作感覚が変わる
- 以前のフォームを再現しにくい
- 柔軟性に左右差が出る
などが生じることがあります。
ここで、
「身体が硬くなった=筋肉が悪い」
とだけ判断するのではなく、
骨格成長
+
筋腱長
+
関節可動域
+
運動制御
を合わせて評価する必要があります。
7.成長期の筋肉・腱と柔軟性
成長期では骨の長さが先行して変化し、その変化に筋・腱などの軟部組織が適応していく過程があります。
そのため、
- ハムストリングス
- 大腿四頭筋
- 下腿三頭筋
- 腸腰筋
などに「硬さ」を感じるケースがあります。
ただし、
筋肉が硬い=障害
ではありません。
重要なのは、
硬さ
+
疼痛
+
ROM制限
+
競技動作
の組み合わせです。
8.成長期のスポーツ障害と筋力不足
筋力も重要です。
特に、
- 体幹
- 臀筋
- 大腿四頭筋
- ハムストリングス
- 下腿
- 肩甲帯
などが競技動作に関係します。
若年者に対する適切なレジスタンストレーニングは、成長を妨げるものとして一律に避ける必要はありません。
国際的なユース・レジスタンストレーニングのコンセンサスでは、適切な指導・負荷設定・技術管理のもとで、成長期の筋力トレーニングは健康・身体能力・スポーツパフォーマンスに有用で、安全性を確保しながら実施できるとされています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ただし、
高重量
+
不十分なフォーム
+
監督不足
+
急激な負荷増加
は避ける必要があります。
9.「成長期だから筋トレ禁止」は正確ではない
成長期のレジスタンストレーニングでは、
重量そのもの
だけで安全性を判断するのではありません。
重要なのは、
- 年齢
- 成熟度
- 技術
- 指導者
- 負荷
- 回数
- 休息
- 競技経験
です。
若年者への筋力トレーニングについては、適切な指導とプログラム設計を前提に実施することが国際的なスポーツ医学・コンディショニング領域で支持されています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
10.成長期のスポーツ障害で特に注意したい腰痛
成長期の腰痛は、
単純な筋肉痛
だけとは限りません。
特にスポーツをしている中学生・高校生では、
- 腰椎分離症
- 椎間板関連障害
- 筋・筋膜性腰痛
- 疲労性骨障害
などを考慮する必要があります。
2022年の系統的レビュー・メタ解析では、若年アスリートの腰痛は比較的多く、過去12か月の腰痛有病率は約42%、3か月では約46%と推定されました。対象研究間の異質性は大きいものの、腰痛が若年アスリートでは重要な問題であることが示されています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
11.腰椎分離症と成長期スポーツ
**腰椎分離症(spondylolysis)**は、腰椎椎弓の疲労性障害として若年アスリートで重要な疾患です。
特に、
- 反復伸展
- 回旋
- ジャンプ
- 投球
- 体幹反復運動
などが多い競技では注意が必要です。
若年アスリートの腰痛に関する研究では、腰椎分離症が重要な原因として報告されています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
また、腰痛を有するアスリートにおける腰椎分離症の有病率を検討した2023年のメタ解析では、9研究・835人から推定値約41.7%が報告されました。ただし研究間の異質性があり、すべての若年腰痛患者に当てはまる数字ではありません。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
したがって、
成長期のスポーツ選手+腰痛
では、整骨院・鍼灸院での筋機能評価だけで済ませず、必要に応じて整形外科で画像評価を受けることが重要です。
12.成長期の膝痛
膝痛では、
- オスグッド・シュラッター病
- 膝蓋大腿部痛
- 膝蓋腱障害
- 半月板損傷
- 靭帯損傷
などがあります。
成長期では脛骨粗面などのアポフィシスへの牽引負荷も重要です。
特に、
ジャンプ
+
ダッシュ
+
キック
+
スクワット
などが繰り返される競技では、膝周囲の負荷が増加します。
13.成長期の踵・足部痛
踵痛では、
踵骨骨端部
への負荷が問題になる場合があります。
代表的な成長期の障害の一つが、
Sever病(踵骨骨端症)
です。
特に、
- サッカー
- バスケットボール
- 陸上
- ダンス
などの走・ジャンプ系競技で問題になることがあります。
ここでも、
「成長痛だから休めばよい」
だけではなく、練習量、シューズ、足関節可動性、下肢筋力、競技動作などを確認します。
14.成長期の肩・肘スポーツ障害
野球などの投球競技では、
- 肩関節
- 上腕骨近位部
- 肘関節
- 内側側副靭帯
- 上腕骨小頭
- 成長板
などへの負荷が問題になります。
特に成長期では骨・軟骨の成熟が十分でないため、成人と同じ「フォーム修正」だけで問題を解決しようとしないことが重要です。
投球数
+
投球頻度
+
休養
+
肩・肘ROM
+
体幹
+
下肢機能
を総合的に確認します。
15.スポーツ専門化と成長期の障害
一つの競技だけを長期間集中的に行う、
early sport specialization
も重要なテーマです。
2022年の系統的レビューでは、若年期のスポーツ専門化を遅らせることが傷害リスクの低下と関連した研究が多く、複数競技への参加がパフォーマンス面でも有益だった研究が多数ありました。ただし、競技によって結果は異なり、すべての競技で一律に専門化が悪いと結論付けることはできません。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
重要なのは、
一つの競技をやること自体
ではなく、
練習量
+
休養
+
競技の反復性
+
身体の成長
+
複数の身体刺激
のバランスです。
16.成長期のスポーツ障害とトレーニング負荷
スポーツ障害では、
負荷そのもの
よりも、
負荷と身体能力のバランス
が重要です。
例えば、
ケースA
週2回の練習
+
十分な休養
+
徐々に負荷増加
ケースB
週5~6回の練習
+
クラブ活動
+
自主練
+
大会
+
睡眠不足
では、同じ競技でも負荷条件が異なります。
IOCのトレーニング負荷に関するコンセンサスでも、負荷は練習量だけでなく、競技日程、心理的負荷、移動、回復などを含めて考える必要があるとされています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
17.「練習量を減らせば治る」だけではない
練習量の調整は重要ですが、
単純にゼロにする
だけでは十分でない場合があります。
身体には、
適切な負荷に適応する能力
があります。
そのため回復段階では、
休養
→ 低負荷運動
→ 基礎筋力
→ 動作練習
→ 競技動作
→ 通常練習
という段階的な再負荷が必要になります。
18.成長期のウォーミングアップ
ウォーミングアップには、
- 体温上昇
- 関節運動
- 神経筋活性化
- 動作準備
などの目的があります。
特に、
動的ストレッチ
+
バランス
+
ジャンプ・着地
+
競技特異的動作
などを含む神経筋ウォームアップが利用されます。
2025年のメタ解析では、青年・若年アスリートを対象とする24研究において、神経筋トレーニングによって下肢スポーツ障害のリスクが約27%低下したと報告されています。特に膝・足関節などの障害リスクに有益な結果が示されました。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
一方、2026年のユースサッカーに関するメタ解析では、足関節障害の減少は示唆された一方、全下肢障害・膝障害については研究間の異質性が大きく、明確な結論には至っていません。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
つまり、
神経筋トレーニングは有望だが、競技・年齢・介入内容によって効果は異なる
というのが現在の適切な理解です。
19.成長期のモーターコントロール
成長期では、
骨格が変化する
+
筋力が変化する
+
身体サイズが変化する
ため、運動制御も継続的に適応する必要があります。
例えば、
身長が急に伸びる
→ 脚が長くなる
→ 以前と同じタイミングで足を動かす
→ 動作感覚が変わる
ということがあります。
その場合、
筋力
+
バランス
+
固有感覚
+
動作タイミング
を再調整することが重要です。
20.成長期のスポーツ障害と固有感覚
固有感覚とは、
身体の位置・運動・力を把握する感覚系
です。
成長期では身体のサイズそのものが変化するため、運動経験を通じて身体内部の感覚情報を再調整する必要があります。
例えば、
- 片脚立位
- ジャンプ着地
- 方向転換
- ボール操作
などを通して、
視覚
+
前庭
+
固有感覚
+
筋力
を統合します。
21.成長期のスポーツ障害と姿勢
成長期の子どもでは、
「姿勢が悪い=スポーツ障害の原因」
と単純に判断することは適切ではありません。
姿勢は、
- 骨格
- 身長
- 筋力
- 柔軟性
- 疲労
- 視覚
- 競技経験
などの影響を受けます。
したがって、
猫背だから腰痛
反り腰だから膝痛
骨盤が歪んでいるからスポーツ障害
という直線的な説明には注意が必要です。
22.骨盤矯正と成長期
成長期に骨盤矯正を行う場合、
「骨盤を正しい場所へ永久に戻す」
という発想ではなく、
骨盤・股関節・体幹の運動機能
を見ることが重要です。
当院では無理な姿勢矯正を強要せず、
骨格矯正をベースにした根本アプローチ
として、必要に応じて骨盤周囲の関節運動、筋機能、荷重、動作などを評価します。
23.成長期の骨格矯正で注意すべきこと
成長期では骨・軟骨・成長板が成熟途中です。
そのため、
強い外力を加えればよい
という考え方は適切ではありません。
必要なのは、
年齢
+
成熟度
+
症状
+
外傷歴
+
競技内容
を踏まえた判断です。
特に外傷後に、
- 強い腫れ
- 変形
- 荷重困難
- 骨性圧痛
- 関節可動域の著しい制限
がある場合には、整形外科などで画像評価を受けることが優先されます。
24.病院(整形外科)と当院(整骨院・鍼灸院)の役割
成長期のスポーツ障害では、特に、
「身体機能の評価」と「疾患・外傷の診断」
を区別する必要があります。
整形外科
整形外科では、
- 医師による診断
- X線
- MRI
- CT
- 超音波
- 血液検査
- 神経学的評価
などが必要に応じて行われます。
また、
- 骨折
- 成長板損傷
- 疲労骨折
- 腰椎分離症
- 靭帯損傷
- 腱損傷
などについて医学的診断を受けることができます。
25.整骨院・鍼灸院が担う身体機能評価
整骨院・鍼灸院では、
- 筋力
- 関節可動域
- 筋緊張
- 動作
- 左右差
- 姿勢
- スポーツフォーム
- 身体の使い方
などを評価し、施術・運動指導・コンディショニングを行うことができます。
ただし、
MRI・CT・医師による診断
などは整形外科の領域です。
26.成長期に医療機関を優先するケース
以下の場合は、整骨院のみで経過観察せず、整形外科などへの受診を優先します。
- 強い外傷
- 明らかな変形
- 強い腫脹
- 荷重できない
- 安静にしていても強い痛み
- 夜間痛が続く
- 発熱を伴う
- 神経症状
- 進行する筋力低下
- 長期間改善しない局所痛
- 成長板損傷が疑われる
- 疲労骨折が疑われる
- 成長期の持続する腰痛
特に競技中の腰痛が繰り返される場合は、筋肉痛として扱い続けるのではなく、腰椎分離症などを含めた医学的評価を検討します。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
27.当院の12年以上の臨床経験を活用した成長期への対応
茨木市あゆみ鍼灸整骨院では、12年以上の臨床経験を基礎として、成長期のスポーツ障害を成人と同じ考え方だけで評価しません。
確認する項目には、
年齢
+
成長段階
+
競技
+
練習量
+
発症時期
+
外傷歴
+
疼痛部位
+
動作
があります。
例えば、
中学生
+
サッカー
+
踵痛
+
練習時に増悪
と、
高校生
+
野球
+
投球時肘痛
では、評価方法が異なります。
28.当院の根本改善アプローチ
当院では、
「痛いところだけを施術する」
ことを最終目標にはしません。
成長期では特に、
症状
+
競技負荷
+
筋力
+
可動域
+
動作
を確認します。
そのうえで、
骨格矯正
+
整体施術
+
筋膜リリース
+
鍼灸
+
円皮鍼
+
EMS治療
+
運動指導
などを身体状態に応じて組み合わせます。
29.成長期に無理な姿勢矯正を行わない理由
成長期では身体の形自体が変化します。
そのため、
「この姿勢が正しいから常に固定する」
という考え方より、
「成長と競技動作に対応できる身体機能を作る」
ことが重要です。
当院では無理な姿勢矯正を強要せず、
骨格矯正をベースにした根本アプローチ
によって、関節運動、筋機能、動作のしやすさをサポートします。
30.成長期の筋膜リリース
筋膜リリースなどの手技を用いる場合も、
強く押すほど効果が高い
という考え方は取りません。
成長期では刺激量を考慮し、
- 痛み
- 筋緊張
- 可動域
- 動作
を確認しながら施術します。
目的は、
筋膜を物理的に剥がす
ことではなく、
軟部組織への刺激
+
身体感覚
+
可動性
+
動作
を調整する補助的アプローチです。
31.成長期の鍼灸
鍼灸では、
- 疼痛
- 筋緊張
- 身体感覚
- コンディショニング
などを考慮します。
ただし成長期のスポーツ障害では、
鍼灸で症状を抑える
→ そのまま無理に練習を続ける
という使い方は適切ではありません。
症状が軽減しても、
組織が競技負荷に耐えられる状態になった
とは限らないからです。
32.強い刺激が苦手な選手への円皮鍼
当院では、強い刺激が苦手な方に対して、
円皮鍼(えんぴしん)
を優先的な鍼灸アプローチとして提案します。
円皮鍼は、皮膚への比較的低刺激な持続的感覚入力を利用する方法です。
利用目的として、
- 疼痛管理
- 筋緊張への補助
- コンディショニング
などを考えます。
ただし、刺激感には個人差があり、
「絶対に痛くない」
ことを一律に保証するものではありません。
また、
円皮鍼で痛みを抑えながら練習を続ける
ことを目的とするものでもありません。
成長期のスポーツ障害では、負荷調整と医学的評価が優先されます。
33.EMS治療と成長期
EMS治療は、電気刺激による筋収縮を利用する方法です。
身体機能の補助として使うことはできますが、成長期では、
EMSを使えば筋力問題が解決する
という単純な考え方は適切ではありません。
必要なのは、
自発的な筋収縮
+
筋力トレーニング
+
動作練習
です。
成長期の筋力トレーニングそのものも、適切な指導と負荷管理のもとでは有用です。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
34.モーターコントロールと成長期
成長期には、
身体サイズが変わる
→ 重心位置が変わる
→ 慣性モーメントが変化する
→ 以前と同じ動作が同じ感覚ではなくなる
という変化が生じます。
そのため、
- 片脚立位
- 着地
- ランニング
- 切り返し
- 投球
- キック
などの再学習が必要になる場合があります。
ここでは、
筋力
+
固有感覚
+
バランス
+
視覚
+
神経筋制御
を組み合わせます。
35.成長期のジャンプ・着地動作
ジャンプ着地では、
足部
→ 足関節
→ 膝
→ 股関節
→ 骨盤
→ 体幹
の連続した制御が必要です。
着地後に、
- 膝の軌道
- 股関節屈曲
- 体幹位置
- 足部荷重
- 左右差
などを確認します。
ただし、
フォームが違う=即障害
ではありません。
年齢、競技、速度、負荷、疼痛、競技能力などを総合して判断します。
36.成長期のスポーツ障害と「痛みを我慢する文化」
成長期の部活動では、
「痛くても練習する」
という行動が問題になる場合があります。
特に、
レギュラー争い
+
大会前
+
チーム練習
などが重なると、痛みを申告しにくくなることがあります。
スポーツ医学では、
痛みを隠すこと
より、
負荷を調整して競技を継続・復帰すること
が重要です。
2025年更新の思春期アスリートのコンセンサスでも、成長発達だけでなく心理的要因がスポーツ参加や傷害リハビリテーションに関係するとされています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
37.保護者・指導者・選手の三者管理
成長期では本人だけでなく、
保護者
+
指導者
+
医療・コンディショニング担当者
の連携が重要です。
確認する情報には、
- 練習時間
- 大会予定
- 自主練
- 睡眠
- 食事
- 痛み
- 学校生活
などがあります。
本人が言う「週3回の練習」が、
部活3回
+
クラブ2回
+
自主練2回
なら、実際の総負荷は大きく異なります。
38.成長期の睡眠と回復
成長期では、
成長
+
学業
+
スポーツ
が同時に存在します。
そのため睡眠不足が続くと、
回復時間不足
+
日中の疲労
+
トレーニングへの適応不足
などが生じる可能性があります。
スポーツ障害の改善では、
練習を増やす
だけではなく、
回復を確保する
ことも重要です。
39.成長期のエネルギー不足とスポーツ障害
成長期は身体が成長するため、エネルギー需要もあります。
競技によっては、
練習量が増える
+
食事量が十分でない
という状態が生じることがあります。
スポーツ医学では、低エネルギー利用可能性やRED-S(Relative Energy Deficiency in Sport)が競技者の健康・パフォーマンスに関係することが知られています。
成長期では、
成長に必要なエネルギー
+
競技に必要なエネルギー
の双方が必要です。
体重減少、月経異常、疲労の持続、反復性の疲労骨折などがある場合には、医療機関・スポーツ栄養専門家への相談も重要です。
40.高槻市・茨木市の成長期アスリートに必要な負荷管理
高槻市・茨木市には、
- 学校部活動
- クラブチーム
- スポーツスクール
- 地域スポーツ
- サッカー
- 野球
- バスケットボール
- バレーボール
- テニス
- 陸上
- 水泳
- ダンス
- ゴルフ
などさまざまなスポーツ環境があります。
成長期では、
学校の部活動
+
クラブチーム
+
自主練
+
大会
が重なりやすいため、実際の週間負荷を把握することが重要です。
41.成長期のスポーツ障害を防ぐための基本チェック
身体面
- 疼痛
- 腫脹
- ROM
- 筋力
- 左右差
- バランス
競技面
- 練習量
- 競技頻度
- 試合数
- 競技特性
- ポジション
回復面
- 睡眠
- 栄養
- 休養
成長面
- 身長変化
- 成長スパート
- 成熟段階
を確認します。
42.競技復帰(Return to Sport)の考え方
成長期のスポーツ障害では、
「痛くない」
だけで競技復帰を判断しません。
例えば、
膝痛消失
→ いきなり全力ジャンプ
ではなく、
歩行
→ 軽いジョギング
→ スクワット
→ ジャンプ
→ 着地
→ 方向転換
→ 競技練習
→ 実戦
という段階を踏みます。
43.競技復帰の評価項目
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 疼痛 | 日常・練習中・翌日 |
| ROM | 必要な関節可動域 |
| 筋力 | 左右・競技要求 |
| バランス | 静的・動的 |
| 固有感覚 | 関節位置・荷重 |
| 神経筋制御 | 着地・切り返し |
| 技術 | 競技特異的動作 |
| 負荷耐性 | 連続運動 |
| 心理面 | 不安・恐怖 |
| 回復 | 睡眠・疲労 |
44.成長期のスポーツ障害予防に神経筋トレーニングを活用
神経筋トレーニングには、
- バランス
- 筋力
- プライオメトリクス
- 着地練習
- 反応訓練
- 方向転換
などが含まれます。
2025年のメタ解析では、若年・青年アスリートの下肢スポーツ障害リスクが神経筋トレーニングによって約27%低下しました。特に12~18歳の男子で、20~30分・週1~2回・6か月以上のプログラムが膝傷害予防に有効である可能性が示されています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
ただし、これは「すべてのスポーツ障害が27%減る」という意味ではなく、対象となった研究の範囲における下肢傷害リスクの平均的な結果です。
45.成長期のストレッチ
成長期では柔軟性不足が気になるケースがあります。
ただし、
硬いから毎日強く伸ばす
という方法は必要ありません。
目的に応じて、
- ROM改善
- ウォームアップ
- 筋緊張調整
- 競技動作準備
を分けて考えます。
さらに、
ストレッチ
+
筋力
+
動作
を組み合わせることが重要です。
46.成長期の骨盤矯正・骨格矯正・鍼灸・EMS治療をどう組み合わせるか
骨盤矯正
骨盤・股関節・体幹の機能評価を含めて考えます。
骨格矯正
関節運動や身体の動かしやすさを補助します。
筋膜リリース
筋緊張や身体感覚、可動性への補助的アプローチとして利用します。
鍼灸
疼痛、筋緊張、身体感覚などへの補助的介入として検討します。
円皮鍼
強い刺激が苦手な方に対して、比較的刺激の少ない持続的な皮膚刺激を選択肢とします。
EMS治療
筋収縮の補助として利用し、その後の自発運動につなげます。
運動療法
最終的に競技動作へ身体機能を転移させます。
47.当院の施術で重視する「痛みを取る→動かす→鍛える」
茨木市あゆみ鍼灸整骨院では、成長期のスポーツ障害に対して、
症状を確認する
↓
身体機能を評価する
↓
必要な施術を行う
↓
動作を確認する
↓
運動を行う
↓
競技負荷へ戻す
という流れを重視します。
48.成長期のスポーツ障害と「根本改善」
当院でいう根本改善とは、
「痛みを一度取ったら終わり」
ではありません。
成長期では、
成長
+
競技
+
身体機能
+
負荷
+
回復
が常に変化します。
そのため、
今の症状を評価する
+
今の負荷を評価する
+
今の身体機能を評価する
ことが必要です。
49.成長期アスリートに対する当院の基本方針
当院では、無理な姿勢矯正を強要せず、
骨格矯正をベースにした根本アプローチ
で身体の動かしやすさをサポートします。
成長期では特に、
「正しい姿勢」
という固定された形より、
「変化する身体を競技動作に適応させる能力」
を重視します。
12年以上の臨床経験を基礎として、柔道整復師・鍼灸師の国家資格保持者として、成長段階、競技内容、練習量、症状を総合的に確認します。
50.よくある質問(FAQ)
Q1.成長期のスポーツ障害は、成長痛と同じですか?
同じではありません。
成長に伴う痛みと、スポーツによるオーバーユース障害・成長板障害・骨端症などは区別する必要があります。
運動によって毎回痛む、局所的な圧痛・腫脹がある、徐々に悪化する、日常生活にも影響するなどの症状があれば、単純な成長痛として判断しないことが重要です。
Q2.成長期に筋トレをすると身長が伸びなくなりますか?
適切な指導・負荷・技術管理のもとで行うレジスタンストレーニングが、成長期の身長を止めるという単純な考え方は支持されていません。
国際的なユース・レジスタンストレーニングのコンセンサスでは、適切に設計された筋力トレーニングは健康や身体能力に有益で、安全に実施できるとされています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
Q3.中学生の腰痛は整骨院で施術してもよいですか?
症状によります。
軽度の筋・関節機能の問題であれば身体機能評価や施術が選択肢となる場合がありますが、成長期の持続する腰痛では腰椎分離症などの疲労性障害を除外することが重要です。
特に競技中の腰痛が繰り返す、伸展で痛む、安静でも改善しないなどの場合は整形外科での評価を優先することが重要です。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
Q4.成長期のスポーツ障害に骨盤矯正・骨格矯正は有効ですか?
骨盤矯正・骨格矯正は、関節運動や身体機能への補助的アプローチとして利用できます。
ただし、「骨盤を矯正すればスポーツ障害が治る」という単純な関係ではありません。
成長段階、筋力、可動域、競技動作、負荷量などを総合的に評価する必要があります。
Q5.成長期でも鍼灸や円皮鍼、EMS治療を受けられますか?
症状、年齢、目的、身体状態などを確認したうえで、補助的な選択肢として検討します。
当院では強い刺激が苦手な方に対して、比較的刺激の少ない円皮鍼を選択肢として優先的に提案します。
EMS治療についても、単独でスポーツ障害を改善するものではなく、筋収縮を補助しながら自発的運動へつなげるという位置付けです。
51.まとめ|成長期のスポーツ障害は「成長」と「競技負荷」の両方を評価することが重要
成長期のスポーツ障害では、成人のスポーツ障害と同じ評価だけでは不十分です。
成長期には、
骨
+
成長板
+
骨端
+
アポフィシス
+
筋
+
腱
+
関節
+
神経筋制御
が同時に発達しています。
このため、
成長そのもの
+
スポーツ負荷
+
身体機能
+
回復能力
を総合的に考える必要があります。
特に重要なのが、
成長スパート
+
急激な練習量増加
+
反復動作
+
休養不足
です。
成長期の身体は変化しているため、数か月前と同じフォーム、同じ筋力、同じ可動域であるとは限りません。
そのため、
身体評価
→ 競技動作評価
→ 負荷管理
→ 必要な施術
→ 運動療法
→ 競技復帰
というプロセスが重要になります。
特に膝、踵、肘、肩などの成長期特有の部位では、
オスグッド・シュラッター病
+
Sever病
+
成長板障害
+
投球障害
+
アポフィシス関連障害
などを考慮します。
また成長期の腰痛には特別な注意が必要です。
若年アスリートでは腰痛の頻度が高く、腰椎分離症が重要な鑑別となります。2022年の系統的レビューでは、若年アスリートの過去12か月腰痛有病率が約42%と推定され、腰椎分離症などが主要な関連病態として検討されています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
また、腰痛を有するアスリートの中で腰椎分離症の有病率を検討した2023年のメタ解析では約41.7%という推定値が示されていますが、これは研究対象となった「腰痛を有するアスリート」の集団に関する数値であり、すべての成長期アスリートにそのまま当てはめるものではありません。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
したがって、
「中学生の腰痛だから筋肉が硬いだけ」
と決めつけないことが重要です。
成長期では、
長引く腰痛
+
競技中の反復痛
+
腰椎伸展・回旋で増悪
+
動作制限
などがあれば、整形外科での評価を検討します。
一方、成長期のスポーツ障害予防において、
神経筋トレーニング
+
筋力
+
バランス
+
着地
+
方向転換
などのトレーニングは重要な選択肢です。
2025年のメタ解析では、若年・青年アスリートを対象とした24研究で、神経筋トレーニングにより下肢スポーツ障害リスクが平均約27%低下しました。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
一方、2026年のユースサッカー研究では、足関節障害の予防効果が示唆されたものの、全下肢傷害・膝傷害については研究結果の異質性が大きく、競技やプログラムによって効果が異なることが示されています。(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
つまり、
「成長期だから運動しない」
のではなく、
「成長期だからこそ適切に運動負荷を管理する」
ことが重要です。
WHOの身体活動ガイドラインでは、5~17歳の子ども・青少年について、1週間を通じて平均1日60分以上の中~高強度の身体活動を推奨し、筋・骨を強化する高強度活動を週3日以上含めることを推奨しています。また、現在活動量が少ない場合も、少ない量から開始し、頻度・強度・時間を徐々に増やすことが推奨されています。(who.int)
ここから分かるのは、
運動不足も問題
+
過負荷も問題
ということです。
必要なのは、
適切な運動量
+
適切な休養
+
適切な技術
+
身体能力に合わせた負荷
です。
当院、茨木市あゆみ鍼灸整骨院では、12年以上の臨床経験を基礎として、成長期のスポーツ障害を成人と同一の基準だけで判断せず、
年齢
+
成長段階
+
競技
+
練習量
+
身体機能
+
疼痛
+
動作
を総合的に確認します。
柔道整復師・鍼灸師の国家資格保持者として、
筋・関節機能
+
可動域
+
筋緊張
+
競技動作
を評価し、必要に応じて施術や運動指導を行います。
当院では無理な姿勢矯正を強要せず、
骨格矯正をベースにした根本アプローチ
によって、成長期の身体が競技動作に適応しやすい状態をサポートします。
骨盤矯正についても、
「骨盤が歪んでいるからスポーツ障害が起きた」
と単純に判断するのではなく、
骨盤
+
股関節
+
腰椎
+
体幹
+
下肢
の運動連鎖を確認します。
筋膜リリースも、強い刺激を加えることだけを目的とせず、
筋緊張
+
疼痛
+
可動性
+
身体感覚
に対する補助的なアプローチとして利用します。
鍼灸については、
疼痛
+
筋緊張
+
コンディショニング
を考慮し、強い刺激が苦手な方には比較的刺激の少ない、
円皮鍼(えんぴしん)
を優先的な選択肢として提案します。
ただし、円皮鍼で痛みを抑えながら競技を無理に継続することが目的ではありません。
特に成長期では、
「痛みが消えた」
=
「競技負荷に耐えられるようになった」
とは限らないためです。
EMS治療についても、
EMS
+
自発的筋収縮
+
筋力トレーニング
+
モーターコントロール
という流れで利用します。
成長期の競技復帰では、
痛み
+
ROM
+
筋力
+
バランス
+
固有感覚
+
神経筋制御
+
競技動作
+
負荷耐性
を総合的に確認します。
最終目標は、
「痛みがなくなること」
だけではありません。
成長する身体に合わせて、必要な動作を安全に繰り返せること
が重要です。
そのため、
施術
→ 可動性・疼痛の確認
→ 自発運動
→ 筋力
→ 神経筋制御
→ 競技動作
→ 競技負荷
という段階的なプロセスを重視します。
成長期アスリートにとって、スポーツは身体を傷める要因ではなく、適切に管理すれば身体能力、体力、骨・筋機能、運動技能を発達させる重要な活動です。
問題は、
「スポーツをすること」
ではなく、
「成長・負荷・回復のバランスが崩れること」
です。
高槻市・茨木市で、
成長期のスポーツ障害
+
腰痛
+
膝痛
+
踵痛
+
足関節痛
+
野球肩
+
野球肘
+
股関節痛
+
筋肉の張り
+
骨盤矯正
+
骨格矯正
+
鍼灸
+
EMS治療
などについて考える場合には、「成長期だから仕方がない」「姿勢が悪いから」「筋肉が硬いから」という一つの原因だけで判断せず、
成長段階
+
競技特性
+
負荷量
+
組織の耐容量
+
身体機能
+
回復状態
を総合的に確認することが重要です。
そして、
痛みを我慢して練習を続けること
ではなく、
必要な場合は医療機関で診断し、身体機能を評価し、負荷を調整し、段階的に競技へ復帰すること
が成長期アスリートの長期的な競技継続につながります。

